政策・マーケット

トップは中国! クリーンエネルギー投資総額は5年連続「3000億米ドル超」に

低炭素社会に向け、企業、自治体、国が温室効果ガス排出量削減に取り組み始めている。そして、世界的なクリーンエネルギーへの転換は止まらない。今後はどうなっていくのだろうか? アメリカ在住のアナリストがクリーンエネルギー投資を読み解く。

世界のクリーンエネルギー投資が
5年連続3千億米ドルを超える

調査会社ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)によると、全世界のクリーンエネルギー投資は、2018年に5年連続で3000億米ドルを超えた(グラフA)。2018年は3321億米ドルで2017年から8%減少した。テクノロジー別に見てみると、太陽光発電への投資額が最も大きく、1308億ドルで、風力発電1286億ドル、廃棄物発電も含むバイオマス発電が63億ドルとなっている。

単位:十億米国ドル、テクノロジー別(黄色:太陽光発電、水色:風力)
出所:BloombergNEF

ちなみにBNEFのクリーンエネルギー投資の分析には太陽光発電や風力発電のような再生可能エネルギーの他に、エネルギースマート技術と低炭素サービスも含まれる。エネルギースマート技術には、スマートグリッド、電力貯蔵、さらには省エネ電力等への投資が含まれている。スマートグリッドと電力貯蔵は、系統の安全・安定化と太陽光発電などの再エネのさらなる導入拡大を両立するためには不可欠なテクノロジーだ。


太陽光発電導入量100GW超
一方で投資額は減少

2018年には初めて太陽光発電の年間設置容量が100GWを超えた(グラフB)。記録的な新しい太陽光発電容量が導入されたにもかかわらず、太陽光発電への投資は金額ベースで前年比24%減の1308億ドルとなった。

この投資額削減の理由の一つは、資本コストの急激な減少によるものとされている。BNEFによると、2018年、世界的な太陽光モジュールの供給過剰により、製造メーカーが販売価格を大きく引き下げたため、太陽光発電の導入設置コストはメガワットベースで12%も下がったそうだ。

さらに、この供給過剰は、太陽光発電導入量と供給量で共にナンバーワンである中国の太陽光発電普及政策の急激な変化によって悪化してしまった。中国政府が昨年5月、固定価格買取制度(FIT)の対象設備量に上限を設定し、実質的なFITの打ち切りを行った。このため、導入設置コストの低下も合わせ、中国における太陽光発電投資額は、昨年から53%減の404億ドルとなった。

出所:BloombergNEF

風力発電への投資額は前年比3%増の1286億ドルで、うち洋上風力発電は2年連続で2番目に最も高い投資額となった。



実際2018年の投資額は、前年比14%増の257億ドルとなった。陸上風力発電は、世界全体で前年比2%増の1088億ドルと、新しい投資額を記録した。BNEFは、今までイギリスとドイツが洋上風力発電のパイオニアとして市場拡大に貢献してきたが、今後は中国が最も大きな市場になると予想している。台湾と米国東海岸も、ディベロッパーから現在強い注目を集めているそうだ。

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