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電力会社が再エネに注力! 重い腰が上がり始めた背景とは(前編)

8月20日、東京電力エナジーパートナー(東京電力EP)は、新組織「再エネ推進部」を9月1日付で設置すると発表した。これまで再エネに消極的だった電力会社が動き始めた背景とは? 環境経営コンサルタントの村沢義久氏による連載コラム第9回(前編)。

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電力会社の再エネ発電は
言い訳程度!?

東電は、3.11直後から再エネ発電を開始している。とりかかりは早かったが、規模的には微々たるものだ。

福島事故から5ヶ月後の2011年8月、「浮島太陽光発電所」(7MW)を神奈川県川崎市の浮島で運転開始、同年12月には同市扇島で「扇島太陽光発電所」(13MW)が続いた。さらに、2012年1月には山梨県甲府市の米倉山でも「米倉山太陽光発電所」(10MW)の運転を始めたが、その合計出力は30MW(3万kW)にとどまっている。

東電は、風力発電にも参入している。2015年8月、同社初のウインドファーム「東伊豆風力発電所」(18.4MW)を静岡県賀茂郡東伊豆町と河津町で運転開始。こう見てくると、太陽光、風力とも、それぞれの規模は一応大きいのだが、全体としては小さなもので、まだ、実証実験段階というところ。



これから再エネ発電を積極的に展開して行こうとしているのが東北電力だ。今年1月30日、風力発電を中心に、太陽光、水力、地熱、バイオマスなどで合計2GW(200万kW)の再エネ発電を目指すと発表した。また、「再生可能エネルギー事業推進室」を本年7月には設置するとも発表している。

これまで再エネに消極的だった電力会社が、ようやく重い腰を上げ始めた、というところ。

原発は断念すべき時

さて、東電、東北電力の共通点は、少なくとも当面は、原発の再稼働が見込めないことだ。

東電は事故を起こした福島第1原発の全6基を廃炉にするのに加え、今年7月には(遅まきながら)、福島第2の全4基の廃炉も決めた。さらに、運転停止中の柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市)について、(6、7号機の再稼働後5年以内に)1~5号機のうち1基以上の廃炉を検討する方針を地元の新潟県柏崎市に伝えている。

「検討する方針」とはずいぶんあいまいな表現だが、これは、柏崎市が6、7号機再稼働の条件として1~5号機の廃炉計画の提示を求めていたため、東電が一応の回答を示したもの。東電の廃炉に対する消極姿勢が表れている。

6、7号機は規制委員会による「新規制基準適合性審査」の「合格証」を得ているので、東電としては、すぐにでも再稼働したいところのようだが、現実は甘くない。再稼働については新潟県の同意も必要なのだが、同県は福島第1原発の事故原因や安全な避難方法などの検証作業を行っているところであり、その作業が終わらなければ再稼働の議論はしないとの姿勢を示している。

東北電力の再稼働はさらに遅れている。東北電力は女川(宮城県牡鹿郡女川町と石巻市)、東通(青森県下北郡東通村)の二つの原発を持っているが、いずれもまだ「合格証」を得ていない。女川についてはようやく審査のための「説明」が終わった段階であり、東通については、敷地内および周辺の活断層評価のための審査が行われている状況だ。



筆者は、東電はもちろん、東北電力も、今後原発を稼働させることはありえないと見ている。これまで、国際的にみて非常に甘かった規制委員会の審査基準がようやく現実的になりつつあることも一つの理由だ。

~続く~

プロフィール

環境経営コンサルタント(合同会社 Xパワー代表)

村沢義久


東京大学工学修士。スタンフォード大学MBA。経営コンサルティング会社日本代表、ゴールドマンサックス証券バイスプレジデント(M&A担当)などを歴任の後、2005年から2010年まで東京大学特任教授。2010年から2013年3月まで同大学総長室アドバイザー。2013年4月から2016年3月まで立命館大学大学院客員教授。現在の活動の中心は太陽光発電と電気自動車の推進。Twitterは@murasawa。

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