太陽光発電

追悼の想いとともに……未来へつなぐ『ピースオンアース』レポート!

震災の翌年、2012年から始まった東京・日比谷公園芝生広場の「ピースオンアース」。8回目を迎えた今年も、平日にも関わらず多く来場者が集まった。犠牲者への哀悼を捧げるとともに、想いを未来へとつなぐための"節目"として、また、ここから生まれたつながりを確かめ合う場としても、意義ある時間が流れていった。

エネルギー問題への意識も
追悼と共に大事なテーマ

当日は、前日からの雨と風で一時は開催も危ぶまれるほどの天気の荒れ模様だったが、午前中には天気も回復。季節的には暑く感じられるほどの日差しが溢れる中、無事8回目を迎える追悼イベントは執り行われた。会場入り口に設けられた献花台には桜の木もあしらわれ、後を絶たない来場者が祈りを捧げる場に、優しい雰囲気も添えられていた。


献花台には、開催中訪れる人が後を絶たなかった。8年経った今でも、想いはつながっている。


2時46分。鐘の音とともに、全員で黙祷を捧げる。会場は、被災者への想い、そして未来への不安と希望が入り混じった静寂で満たされた。

昨年とはやや趣を変え、「祈りを捧げる場」として整えられた会場の中心となったのは、WWBのソーラーシェアリングシステムを応用した「ソーラードームステージ」。間口7m×奥行き14mのオリジナルフレームを使用したビニールハウスの屋根面に、同社の超軽量ソーラーパネル「マクサライト」215W×36枚を装備。約8kWhの発電量で、蓄電池を介してステージの音響や照明などにそのまま活用された。


「ソーラードームステージ」は、WWBの超軽量ソーラーパネル「マクサライト」を活用したビニールハウス型のソーラーシェアリングシステムを応用したもの。


会場全景。メイン会場である「ソーラードームステージ」の前に、桜の木をあしらった献花台が設えられた。


日が暮れてライトアップされた献花台は、一層そのしめやかな雰囲気を強くする。背景のビル街との対照が印象的。

そんなステージでは、例年駆けつける佐藤タイジさん、ウォン・ウィンツァンさん、Yaeさんといったアーティストたちの音楽プログラムのほか、トークプログラムも実施。


ステージには、想いを同じくするミュージシャンたちも駆けつけ、ピースフルな演奏を披露した。写真は、佐藤タイジさん。

特に印象的だったのは、ミュージシャンのSUGIZOさん、メインステージ設営にも協力した太陽光発電メーカーWWB社長の龍潤生さん、匝瑳ソーラーシェアリング技術者の東光弘さん、環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さんが登壇して行われた「新しいエネルギーから未来のムラへ」と題したトークだ。


photo: KOTARO MANABE


「新しいエネルギーから未来のムラへ」と題したトークで登壇した、SUGIZOさん(上右)、龍潤生さん(上左)、東光弘さん(下右)、飯田哲也さん(下左)。

国民意識の変化
未来のための情報交換を

飯田さんによると、日本原子力文化振興財団の最新の調査では、311前に60%近くもいた原発推進を支持する人が、わずか1%になるなど、エネルギーに対する国民の意識は決定的に変わってきているとのこと。

その中で自然エネルギー、特に太陽光発電への期待が大きく膨らんできているのは、この日の来場者だけでなく、もはや多くの読者も実感するところだろう。しかし、登壇した東さんが「重要なコミュニティーパワーの1つ」として手がけるソーラーシェアリングを含め、課題がないわけではない。

メーカーとしてさらなる時流にマッチした経済合理性のある商品開発をさらに進めたいとする龍さんや、アーティストとして自然エネルギーで奏でる音の質の高さと、ミュージシャンや聴衆に広がるポジティブな波及効果を訴えたSUGIZOさんら、登壇者に向けられる来場者の眼差しには、単に過去を悼むだけでない、未来への輝きが確かに宿っていた。


4月20日・21日に開催される、アースデイ東京2019の記者発表も同時に行われた。実行委員長のC.W.ニコルさんをはじめ、実行委員の有志が駆けつけ、取り組みを紹介。

イベント冒頭のあいさつで東さんが語った「今日という日が、新しい時代の始まりの日となるように、皆さんと情報交換して行きたい」という言葉が、この日の会場の雰囲気をもっとも象徴していたように思う。

「この場作りを8年間やってきて、毎年この先はどうなるんだろうと思っていますが、こうしてここに立つことで、改めて未に向かって行きたいと感じています」(主催/鈴木幸一さん)


撮影/須古恵 
取材・文/畑山護之(partisan)

SOLAR JOURNAL vol.29(2019年春号)より転載

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