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再エネ企業が知っておくべき地球温暖化の最新情報

環境・社会・経済の統合的な発展に向けて〝約束された市場〟の確かな成長をサポートすると語る、環境省 環境事務次官の小林正明氏。そんな小林氏に、より深刻化する地球温暖化問題や持続可能な開発についての話を伺った。

パリ協定後の世界
地球温暖化防止のために

世界の潮流は大きく動いています。2015年末にフランス・パリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約締約国会議)において、今世紀後半には温室効果ガス排出量を実質的にゼロにすることが合意されました。先進国と途上国のせめぎあいがあるなか、「パリ協定」は様々な対立を超えて成立しました。地球温暖化問題は、それほどに深刻な状況にあるということです。

昨年11月、批准国が一定数に達し、パリ協定は発効に至りました。今後、各国の具体的な取り組みが問われることにもなってきます。日本としても、パリ協定を受けて「地球温暖化対策計画」等を策定し、総合的な取り組みを推進しているところです。

計画では、2030年度に2013年度比で温室効果ガス排出を26%削減、長期目標として2050年までに80%の削減を目指すこととしています。これを実現するためには、国・自治体・事業者・国民それぞれに努力が求められますが、創エネ分野において再生可能エネルギーの導入拡大が不可欠であることは言うまでもありません。環境省としても、徹底した省エネの推進とともに、再生可能エネルギーの導入拡大に関しても積極的に後押ししているところです。

環境アセスメントの
円滑化・期間短縮も視野に

例えば、風力発電における環境アセスメントについても、より合理的な仕組みになるよう、様々な検討を進めています。地域主導で風況の良い地域をゾーニングして、動植物調査などの初期的な環境調査をあらかじめ済ませ、さらに地域の関係者との協議を実施しておくことも考えられます。その地域に風力発電所をつくる場合には、環境アセスメントを円滑化できるわけです。大規模風力発電所に適した場所は、ある程度限られてきますから、事業者の皆さんにとってメリットは少なくないでしょう。

これはほんの一例に過ぎませんが、環境アセスメントの期間短縮に関しても、環境省は前向きに考えているのです。実際のところ、風力発電に関する環境アセスメントの届出件数は、近年ものすごい勢いで増えています。この勢いを止めることのないよう、環境や地域社会に配慮した持続可能な発電事業にしていただけるようサポートしていくつもりです。

持続可能な開発目標
SDGsの実現を目指して

地球温暖化対策の推進にあたっては、環境・経済・社会の統合的な向上に資するような施策の推進が肝要です。これは温暖化対策における基本的な考え方ですが、「SDGs」の取り組みとも通じ合っています。SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年の国連サミットで採択された国際目標で、一般には「持続可能な開発目標」と訳されているものです。そこには、2030年までに実現すべき課題が掲げられており、その範囲は17ゴール、169ターゲットにも及びます。そして、その多くが環境に関連したものなのです。

SDGsは今後、パリ協定とともに、各国の環境政策の大きな柱になってくるでしょう。この持続可能な開発目標を達成するためにも、持続可能なエネルギーである再エネの普及は不可欠です。この意味からも、再エネは「約束された市場」であり、再エネの導入拡大は、まさに世界の潮流なのです。

私は、再生可能エネルギーをどういう形で伸ばしていくかということは、環境行政にとっても最大のテーマだと考えています。事業者、自治体、そして市民の皆さん……多くの方々の意見を伺いながら再エネを支援してまいります。そして、我が国の優れた技術が、世界全体の脱炭素化に活かされていくことを願ってやみません。


環境省 環境事務次官
小林正明氏
1979年環境省入省。大臣官房審議官、水・大気環境局長、総合環境政策局長、地球環境審議官を歴任。2015年COP21パリ協定では国際交渉を担当。2016年6月より現職。


撮影・取材・文/廣町公則

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2019/01/07 | 政策・マーケット

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