政策・マーケット

FIT電気の選択をFITが阻む? そのカラクリとは

東日本大震災を契機にその歩みを早めた「電力自由化」。再生可能エネルギーの選択を望む人々の声がその背景にあったことは想像に難くない。しかし、未だに再エネ由来の電気を選択することは容易ではないという。それはなぜなのか。そして、再エネを自由に選べるようになるためには、何が必要なのか。「電力自由化がわかる本」(洋泉社)の共著者である木舟辰平氏に解説してもらった。

FIT電気の選択を
FITが阻むという皮肉

4月に始まった電力小売の全面自由化により、家庭も制度上は電力会社を選択できるようになりました。とはいえ、まだすべての消費者が自分の望む電気を選べる状況ではありません。再生可能エネルギー由来の電気を使いたいという人々のニーズを満たす商品メニューがほとんどないのは、その最たる例です。自由化で先行するドイツやアメリカのテキサス州で再エネ由来の電気に特化した商品が消費者から一定の支持を得ているのとは対照的です。

日本ではなぜ、再エネ由来の電気を消費者が自由に選べる状況になっていないのでしょうか。その大きな要因として、再エネ由来の電気のほとんどが、それを戦略的商品として活用する積極的な理由を持たない大手電力会社の供給力になっていることがあります。

再エネの導入量拡大に大きな役割を果たしているFITの存在が、肉なことに消費者の選択する権利を奪っているのです。FITは太陽光や風力などの再エネ電気の買い取りを電力会社に義務付ける制度ですが、買取価格は国が決めているため発電事業者はどの電力会社に売っても基本的に収入は変わりません。そのため、全体の95%以上を大手電力が買い取っているといわれます。

しかも、2012年の制度導入以来大きく増えてきたとはいえ、全発電量に占めるFIT電気の割合はまだ2%程度です。そのため、多くの新電力にとっては再エネ由来の電気を売りたくても売れない状況にあるのです。付け加えれば、FITの対象外である大規模水力も大手電力会社がほぼ独占しています。

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