太陽光発電

【インタビュー】PVシステムメーカーに訊く! 自家消費市場へ向けた戦略とは?

アンプトは優れた蓄電システムで
質の高いリパワリングを

2018年は日本でも世界でも、全体としてビジネスに大きな変化があったと思います。

1つは北米を中心に世界的にリパワリング(テクニカル・デューデリジェンスにより発電所の品質をチェックし、発電能力をなるべく100%に近づける工事:編集部注)が注目をあびています。もう1つは蓄電システムの新しいビジネスですね。

前者について、もし20MWの発電所を持っていて、1億円の資金があるとします。その1億円を20MWのリパワリングに使って5%のエネルギーアップを目指すのがいいのか。それとも、新しく1MW増やす新規プランに使う方がいいのか、考えてみましょう。

どちらも発電量としては同じかもしれませんが、20MWのFIT価格が40円、新規プランが14円とすると、20MWの方が3倍近く利益を出せる計算になります。そのため、当社も日本だけでなく世界でもできるだけ高いFITを求めてリパワリングを推進していく考えです。

また、当社は新たに蓄電池プロジェクトを手掛けています。特に今年1月に完成したハワイの案件では、「Amptストリングオプティマイザ」により、すぐれた総合充放電効率と低コスト化を同時に実現しました。リパワリングと蓄電システムはお互いを助け合うものでもあります。

当社独自のパワーマネジメントにより、常に最適なモジュールの使用が可能になるでしょう。

プロフィール

Ampt,LLC CEO

レヴェント・ガン氏



サングロウは最新大型パワコンで
特高案件に

中国の太陽光発電市場は、昨年5月末に発表された政策変更によって一時的に市場が落ち込みました。当社はグローバルに展開していることから、昨年受けた影響は限定的なものにとどまりました。

2019年の中国市場は、再び回復し、年間の導入量は40~50GWにまで伸びると予測しています。

一方、日本市場における課題といえば、なによりもまず、2018年のルール改正を受けた「未稼働案件」の建設に向けた対応でしょう。改正以前に予定していた建設計画が変更を迫られ、大変な状況にある方が大勢いらっしゃいます。未稼働案件の早期運転開始をサポートできるよう、迅速に出荷できる体制を整えています。ぜひお気軽にご相談いただければ幸いです。

私達サングロウは、パワーコンディショナメーカーとして、グローバルシェア15%・世界出荷量No.1を達成することができました。日本においても、製品の品質と信頼性、そして事業性の向上につながるコストパフォーマンスの高さを認めていただいております。

また、新たにメガソーラー向けのソリューション「SG3400HV-MV」を開発しました。水上ソーラー用の架台や、自家消費に向けた蓄電ソリューションも提供しています。

パワーコンディショナの提供にとどまらず、日本における自然エネルギーの普及・拡大に、引き続き貢献してまいります。

プロフィール

SUNGROW JAPAN株式会社 代表取締役

趙天工氏

 

電菱は最先端技術を取り込み
多様なシステムを用意

電菱は、独立型電源システムのパイオニアです。エンジニアだった父が1967年に設立し、1980年代半ばから、無線用中継局などのために、太陽光発電関連機器の取り扱いを始めました。父の跡を継いだ私も、どこにでも供給できる電源を備える独立型システムに興味を持ち、会社としても研究開発には最も力を注いでいます。

世界最小のファンレスDC-ACインバータや太陽電池放充電コントローラなど、最先端技術を取り込んだ各種設備機器から、独立型太陽光発電システムを電源とする自立型IoT通信ユニット等の各種ソリューションまで、弊社の取り組みは多岐にわたります。

災害復興トレーラーにも独立型太陽光発電システムは活かされ、その車両は災害発生時の臨時避難所や救助室などとして役立てられてきました。そのほか商用電源が取れない地域や、発電機の利用が制限されている地域での電源としても安心してお使いいただける多様なシステムをご用意しています。

地震による停電など、集中型電源システムの脆弱性が問題視されるなか、電力系統に依存しない独立型システムの重要性は高まるばかりです。私どもとしても、この事業がもつ社会的責任の重さを、改めて感じずにはおれません。

基礎研究に裏付けられた技術力をベースに、これからも社会貢献につながるソリューションを提供していけるよう、全力で取り組んでまいります。

プロフィール

株式会社電菱 代表取締役社長

小林 伸一氏




リープトンエナジーは
FIT後も見据えた戦略を

FIT単価の下落が続き、14円/kWh以下になってやっていけるのかと心配している事業者の方も少なくないでしょう。しかし、私達は「やれる」と確信しています。ただ、そのためには、これまで以上に利回りの良いシステムを構築していくことが重要です。

リープトンエナジーでは、コスト競争力の高いパネルを生産するとともに、発電効率のアップを追求しています。そのため現在、中国にある工場の生産ラインを増強し、高効率なハーフセルモジュールの量産体制を整えているところです。

また私達は、パネルや架台、周辺機器の開発から生産・販売・メンテナンスまで一気通貫で手掛けています。最初から最後までトータルに提供できるからこそ、利回りの良い発電所システムの構築が可能なのです。

FITはやがてなくなり、日本国内のPVビジネスは自家消費向けが中心になってくるでしょう。弊社としても、今後は、パネルと蓄電池をセットにしたシステムを提案するなどし、新たなニーズに応えていく方針です。

昨年からは、東南アジア・ヨーロッパ・中南米など海外向けの販売も強化しています。「低価格・高品質な日本ブランド」が各国で高く評価され、出荷量は前年度の約2倍に増加、出荷量の伸びに伴い量産化が可能になり、生産コストを安くすることもできたというわけです。

太陽光発電のさらなる普及を目指して、私達は歩み続けます。

プロフィール

リープトンエナジー株式会社 代表取締役社長

周 鳴飛氏


S-RACKは厳しい環境に負けず
世界市場にチャレンジ

当社は現在、オーストラリアと日本に拠点があり、台湾でもすでに案件を受注しています。アメリカが次のターゲットです。

日本でのいくつかのルール改正に関しては、直接的な影響を受けるお客様は価格圧力が深刻な問題となりますし、FIT価格が下がれば事業構築もますます難しくなっていくでしょう。当社としては、そこをサポートしていきたいと思います。

例えば、太陽光発電は事業全体のうち多くの予算が土木工事に費やされています。当社は柔軟なシステムにより丘陵でも設置でき、土木工事の予算を最小限に抑えられます。こうしたコスト面でのサポートが一例です。

当社の強みは製品デザインです。国や地域ごとの市場ニーズにあったデザインやカスタマイズ、新製品を提供しており、エンジニアリングに強いという自負があります。厳しい地盤条件、急斜面、海岸に隣接し塩害や腐食が起きる地域など、様々な状況における豊富な経験もあります。

こうしたサービスを支えるのが、ヨーロッパ、アメリカ、日本、中国と多岐にわたる国際的な人材です。特に生産工場では品質管理の人員を当社より配置し、高品質な製品を手頃な価格で、良質なエンジニアリングとサポートをあわせて提供しています。

10年にわたって磨いてきた技術的ソリューションを、これからもずっと提供し続けていきたいと思います。

プロフィール

S-RACK株式会社 代表取締役社長

ドミニク・グリュッツナー氏




SCOTRAは低コストで
環境に優しい太陽光発電を

スコトラは、1000件以上の水上太陽光発電所を手掛けてきたフローティング(浮体式水上架台)の専門企業です。2007年に韓国で設立以来、世界初の水上太陽光商用化モデルをはじめ、海上・ダム・湿地など多様な環境に適合するシステムを開発し続けています。

日本では2016年から事業展開していますが、昨今、水上太陽光のニーズが急激に高まってきているのを感じます。水上なら造成工事はいらないですし、山を切り崩すなど環境に悪影響を与えることもありません。コストも抑えられ、しかも環境にやさしいシステムなのです。発電所の建設用地が少なくなったといわれますが、水上太陽光なら日本各地にある溜池などを有効に活用することが可能です。

韓国は、日本と同じく台風に襲われる地域です。私たちの製品は、韓国以外にも台湾や東南アジアで豊富な実績を有しています。ですから、日本の気象条件でも安心して設置していただけるのです。また、世界で初めて、イギリス保険検証機関の審査を経て水上太陽光用フルカバー再保険への加入が認められるなど、安全性や信頼性にも定評があります。

私たちは、「水上のすべてを作ります」というスローガンの下、フローティング市場で先頭に立ちました。日本でも、低コストで環境にやさしい水上太陽光を、皆様と共に広めていければ幸いです。

プロフィール

株式会社SCOTRA 海外事業部 部長

申 載官氏


取材・文/廣町公則、大根田康介

SOLAR JOURNAL vol.29(2019年春号)より転載

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