UDAモデルとは? 追加性ある再エネ導入、令和5年度概算要求に165億円計上
2022/09/20
太陽光など再エネ発電設備を新設する“追加性”が重視される中、需要家とのコミットメントに基づく「UDAモデル」が注目されている。経産省は、来年度の概算要求にもUDAモデルによる補助事業を計上した。
需要家らと一体での再エネ導入
“追加性”ある再エネ調達を促進
UDAモデルとは、需要家による長期買取や出資などのコミットメントのもと、需要家、発電事業者、小売電気事業者が一体となって再生可能エネルギーの導入を進める「User- Driven Alliance」モデルのことだ。
需要家のコミットメントとは、例えば、再エネ発電設備による発電を長期にわたって固定価格などで買い取る契約などが挙げられる。需要家によるコミットメントがあるからこそ、FITなどの支援制度を活用しなくても、発電事業者は投資回収の見通しを立てることができる。結果として、再エネ発電設備の新設が期待されるという訳だ。
例えば、需要家との長期契約に基づいて太陽光発電所を新設するオフサイトPPAも、UDAモデルの1つだ。
(UDAモデルの概要。出典:経済産業省)
昨今、再エネの調達にあたっては、再エネ発電設備を新たに建設する「追加性」が重視されるようになってきた。背景には、再エネ電力100%で事業活動を行うことを目指す国際イニシアチブRE100の拡大や、SDGsなど世界的な環境意識の高まりがあるとされる。こうした中、再エネ発電設備の新規開発を促すUDAモデルが、再エネ導入の代表的なモデルとして注目されている。
UDAモデルによる補助制度
令和5年度概算要求に165億円
追加性のある再エネ導入を促進するため、経済産業省は、令和3年度補正予算と令和4年度当初予算において「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金」を実施してきた。予算総額は合計で260億円にのぼる。令和3年度補正予算においては、一次公募で13社、二次公募で6社が採択された。
一次公募で採択された13社のうち、2社は関西電力グループだ。関電エコスタイル太陽光発電は、小規模な太陽光発電設備を集約し、合計18MWのコーポレートPPAを実現するという。また、関西電力が100%出資するKPREは、合計2MWの太陽光発電所を新設し、ハイドロエッジに供給するとしている。いずれも事業期間は20年間を予定している。
令和5年度概算要求においても「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金」には165億円が計上された。機器購入費などの3分の2または2分の1の補助が計画されており、今後の動向が注視される。
DATA
関西電力株式会社 プレスリリース
経済産業省:需要家主導による太陽光発電導入促進補助金
文:山下幸恵(office SOTO)