【経済産業省】資源エネルギー庁が、再生可能エネルギー発電設備や周辺の現地調査などを実施
2024/06/20
近年、再生可能エネルギー発電設備の設置が、安全面、防災面、そして景観や環境へ影響を与えるケースがたびたび報告されている。そうした状況下、再生可能エネルギーの導入推進と懸念を払拭するために経済産業省が現地調査を行う。
現地調査によって
法令順守状況を分析
資源エネルギー庁は、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(以下、再エネ特措法)に基づく認定計画の内容との一致や関係法令の遵守状況などの分析を行うため、再生可能エネルギー発電設備や周辺の現地調査等を行うことを明らかにした。
調査内容を資料より引用する。
~現地調査の概要~
1.調査方法
現地調査は以下の2種類の方法で実施します。
①外観調査・・・事業地内には立入せず、事業地の外から確認します。事前に認定事業者等に連絡することなく行うことがあります。
②立入調査・・・事業地に立入り、事業地の内部を確認します。立入に際しては、事前に認定事業者等に連絡することがあります。
2.調査対象
再エネ特措法に基づき認定を受けた事業計画に係る再生可能エネルギー発電設備
3.調査期間
令和6年6月~令和7年3月
出典 経済産業省
FIT制度開始により
再エネ比率は大幅増
今回の現地調査実施の背景にあるのが、太陽光発電事業を中心とした再生可能エネルギー導入量の急速な拡大である。2012年7月のFIT制度(固定価格買取制度)開始により、再エネの導入は大幅に増加しており、再エネの電源構成比は2011年度の10.4%から2022年度は21.7%に拡大した。一方、再生可能エネルギー発電設備の設置に伴い、安全面、防災面、景観や環境への影響が生じていた。そのため、総務省行政評価局が太陽光発電設備などの導入に関して調査。回答した市町村の約4割でトラブルが発生していることがわかり、全体の2割近くの市町村では未解決となっていたため、監督官庁の経済産業省に対して是正を勧告していたのだ。
経済産業省は「再生可能エネルギー発電設備の設置に伴い安全面、防災面、景観や環境への影響が生じていることがあり、さらなる再生可能エネルギーの導入を推進するためには、こうした懸念を払拭する必要がある」と調査の目的を語っている。
■用語解説
・再エネ特措法
再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法。太陽光、風力などの再生可能エネルギーで発電した電気を、国が決まった金額で一定期間買い取る制度。FIT制度とも呼ばれる。
・総務省行政評価局
他の省庁や地方自治体の業務内容を調査し、改善すべき点を勧告する行政機関。
DATA
資源エネルギー庁 再生可能エネルギー発電設備の実態把握のための現地調査
取材・文/四谷陽晴