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【インタビュー】AIKO SOLAR 躍進の秘密に迫る! 日本人CTOが挑んだこととは?

独自のN型ABCモジュールで躍進するグローバル企業AIKO SOLAR(本社:中国)。同社でCTO(最高技術責任者)を務めているのは、長年、日本の太陽光発電の発展に尽くしてきた福井健次氏だ。福井氏は、AIKO SOLARに何をもたらしたのか? そして、いま思う日本への貢献とは?

メイン画像 : 産業用太陽光発電システムの設置事例(奈良県大和都山市 400kW案件)

 

<目次>
1.圧倒的な熱量とスピード感
2.日本で培った「品質」への知見
3.なぜ高効率を追求するのか

 

圧倒的な熱量と
スピード感

ーAIKO SOLARは、どんな会社ですか?

AIKOは2009年の創業以来、セルの開発・製造を通して、多くのモジュールメーカーを支えてきた会社です。2016年には世界初の管状PERC工法を発明し、翌年には量産化を実現するなど、優れた技術力で中国のPV業界を牽引してきました。2022年にモジュールの製造販売に乗り出してからは、N型ABC(オール・バック・コンタクト)モジュールのパイオニアとして新たな躍進を続けています。

私がAIKOに入ったのは2019年ですが、その年に、次世代に向けた製品としてN型のバック・コンタクトに的を絞った研究開発を進めることになりました。そして、2021年にABCセルの量産化に成功、2022年にABCモジュール製品の発表へと至ります。

ー日本のメーカーとのいちばんの違いは?

AIKOには、若い優秀な技術者がたくさんいます。私がなにより驚いたのは、彼らが死にもの狂いで働いていることです。会社同士の競争はもちろんですが、まず社内の競争が激しく、一方で成果に対する見返りも大きいので、今の日本では考えられないような働き方をしています。

その結果として、デザインレビュー(設計審査)が膨大な数に上ります。私はCTO(最高技術責任者) として技術部門を統括する立場にありますが、皆が競ってテーマを出してくるので、審査をするだけでも大仕事です(笑)。

こうした技術者同士の切磋琢磨とスピード感こそが、AIKOの大きな原動力であることは間違いありません。

 


 

日本で培った
「品質」への知見

ー就任当初から福井さんが大切にしていることとは?

AIKOに入るまで、私は日本のメーカー(京セラ)で約35年間、太陽電池セルとモジュールの研究開発に携わってきました。私が知る日本のやり方に比べて、中国の開発スビードはとにかく早いのです。

ただ、優れた品質を確保するためには、確実性や信頼性が担保されていなければなりません。その点については、当時はまだ日本に一日の長があったと言えるでしょう。ですから私は、スピードと信頼性を高い次元で両立させることを自らの役目として取り組んできました。

ー信頼性向上への具体的な取り組み、その成果は?

製品の信頼性は、生涯発電量や安全性にも直結するものですから極めて重要です。私たちは設計審査のやり方自体を見直すことから始め、製造工程においても世界最高レベルの品質管理プロセスを導入しました。その結果、製品の欠陥率を0.5%にまで低減させ、2023年には顧客満足度98%を達成しました。AIKOの高品質な製品は国際的にも高く評価されており、モジュールメーカーとして、2024年第3四半期にはブルームバーグNEFの「Tier1」にも選定されています。

AIKOのN型ABCモジュールは業界No.1の量産変換効率を誇り、高温抑制能力や遮蔽ロス改善機能、マイクロクラックへの耐性などの優れた信頼性・安全性を備え、太陽光発電所の収益性を最大限に引き出すことで世界市場からの評価をますます高めています。

 


 

なぜ高効率を
追求するのか

ー今後の展望、日本市場において重要だと思うことは?

AIKOは太陽光発電技術のイノベーションをリードし、変換効率を極限まで追求するとともに、お客様にとって価値の高い製品を創出し、ゼロカーボン社会に強力な推進力をもたらすことを目標としています。具体的には、パッシベーションコンタクトの最適化などにより、まずはセルの変換効率を29%超に引き上げます。モジュール側においても、ゼロバスバー技術やフルスクリーン化の推進などにより、発電量のさらなるアップを図っていきます。

日本にあっては、高効率製品の重要性がいっそう大きいと考えています。太陽光パネルを設置できる場所が少なくなり、工場屋根や住宅へのさらなる導入拡大が求められるなか、限られたスペースを最大限に活かしていくにはN型ABCモジュールが打ってつけです。変換効率が秀でているだけでなく、影の影響や温度の影響を受けにくいので、どんな場所にも設置することができます。ラインナップも幅広く、軽量モジュールも用意していますから、耐荷重が気になる古い建物にも安心してお使いいただけます。

日本では先頃、新しいエネルギー基本計画案が公表され、2040年までに太陽光発電の導入量を2〜3倍にするという方針が示されました。簡単な目標ではありませんが、AIKOの製品は、その目標実現に向けて大きな貢献をするものと確信しています。

 


 

PROFILE

AIKOグループ
CTO

福井 健次氏


1984年に京セラに入社し、太陽光発電事業本部で太陽電池セルおよびモジュールの研究・開発・製造に従事。研究開発事業部長、製造事業部長を歴任。2019年にAIKO(中国・本社)に入社し、現在に至る。

問い合わせ

Aiko Energy Japan株式会社
東京都港区虎ノ門1-2-8 虎ノ門琴平タワー22階
TEL:03-3528-8590
E-mail:japanoffice@aikosolar.com


取材・文:廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.52(2025年冬号)より転載

Sponsored by Aiko Energy Japan株式会社

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