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パワーエックス、“垂直統合型”のビジネスモデルで蓄電システムの販売拡大を目指す

パワーエックスの「Mega Power」は、再エネ併設蓄電池や系統用蓄電池として導入されている。伊藤正裕社長は、蓄電システム開発から運用まで自社で行う“垂直統合型”ビジネスでさらなる事業の拡大を目指している。

アイキャッチ:パワーエックス製の「Mega Power」が導入された福岡県古賀市の「青柳ソーラーパークⅠ」。筆者撮影

<目次>
1.再エネ併設蓄電池のパッケージを提供開始
2.ラインナップを増やし蓄電システムのニーズに応える

 

再エネ併設蓄電池の
パッケージを提供開始

「青柳ソーラーパークⅠ」。筆者撮影

パワーエックス(岡山県)とニシム電子工業(福岡県)は7月24日、共同でパッケージとして提供する太陽光発電所併設型蓄電システムの第1号案件として、福岡県古賀市の「青柳ソーラーパークⅠ」に蓄電システムを納入したと発表した。青柳ソーラーパークⅠは、SMFLみらいパートナーズ(東京都)が出資する事業SPCを通じて所有・運営する。2018年に運転を開始し、FIT認定単価は36円/kWh。今回、FIP制度へと移行して蓄電池を併設した。

ニシム電子工業のエネルギーマネジメントシステム「TAMERBA(タメルバ) EMS」。筆者撮影

今回導入された蓄電池は、パワーエックス製の「Mega Power」3台、容量は1,750kW/8,226kWhだ。約4.7時間の放電が可能だという。九州電力グループのニシム電子工業は、エネルギーマネジメントシステム「TAMERBA(タメルバ) EMS」を導入した。日鉄エンジニアリングがアグリゲーターを務め、卸電力市場や需給調整市場での運用を行うという。

ラインナップを増やし
蓄電システムのニーズに応える

福岡若松蓄電所。筆者撮影

今年4月には、パワーエックスは、NTTアノードエナジー(東京都)、西部電気工業(福岡県)とともに、福岡県北九州市の系統用高圧蓄電所「福岡若松蓄電所」を竣工した。パワーエックス製の「Mega Power」3台を導入し、出力は1,999kW/7,404kWhだ。

パワーエックスの伊藤正裕社長。筆者撮影

パワーエックスの伊藤正裕社長は、「太陽光発電所に併設する蓄電池の市場は今後、大きく成長すると考えています。当社は、今回納入した『Mega Power』に続いて、よりコンパクトな10フィートコンテナサイズの定置型蓄電池のラインナップや、工場の増強を計画しています。当社は、蓄電システムの自社設計から組み立て、運用まで対応する垂直統合型のビジネスを通じて、メイド・イン・ジャパンの信頼性の高い蓄電システムを提供していきたいと考えています」と話している。

DATA

太陽光発電所併設型蓄電システムを初納入


取材・文/山下幸恵(office SOTO)

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