なぜ、BC技術が世界の主流に? AIKO“Full Screen”が変える、日本の太陽光と発電収益
2026/03/10
太陽光発電は「安く大量に作る」から「限られた面積でより安全に発電する」技術選択の段階に入りつつある。その転換点を示したのがBCサミットだ。BC(バックコンタクト)技術は本格的な市場拡大期を迎えている。その先端を行くAiko Energy Japanに今後の展望を聞いた。
太陽光発電は次の段階へ
BCサミットが示した転換点
太陽光発電の「次の主流技術」について業界関係者が議論する「BCサミット」。2025年は2回目の開催となり、Aiko Energy Japan(以下AIKO)とLONGi社が共同で主催した。

Aiko Solar Energyの陳剛会長は基調講演で、太陽光業界は効率競争から価値競争へ移行していると指摘し、「BC技術こそが高性能・安全・信頼性を備えたゼロカーボン社会実現の鍵だ」と強調した。
今回のサミットでは、太陽光パネルの配線を裏側に配置するBC(バックコンタクト)と呼ばれる新しい技術が、実験段階を超え、本格的に市場へ広がる段階に入ったことが強く印象づけられた。
太陽光発電市場では、「どれだけ安く大量に作れるか」から「限られた屋根の面積でできるだけ多く発電したい」「安全性を高めたい」「長く安定して使いたい」といったニーズは年々強まっている。その解決策として注目されているのがBC技術である。

洗練されたデザインが特徴!
特にヨーロッパでは、電力不足や電気料金の高騰を背景に、家庭の屋根で発電する太陽光への関心が急速に高まっている。屋根の広さには限りがあるため、「同じ面積で、より多く発電できる」技術への期待が強く、BC製品はその有力な選択肢と見られている。
BC技術は、作るための設備にお金がかかり、簡単に真似できないという特徴がある。その分、長く使える競争力のある技術でもある。大手メーカーが本格的にBC製品を投入し始めたことで、太陽光業界は新しい技術を選ぶ段階へと移りつつある。
発電ロスを減らす新製品
「フルスクリーン」パネル
AIKOが次世代の主力製品として展開しているのが、「フルスクリーン」と呼ばれる太陽光パネルである。
従来の太陽光パネルは、セル同士の間にわずかな隙間があり、そこに当たる光は発電に使われていなかった。フルスクリーンは、この隙間をなくし、パネル全体で光を受け止める構造になっている。
その結果、1枚あたりの発電量が約8W増えた。一見すると小さな違いに思えるかもしれないが、屋根の広さが限られる住宅や工場では、この積み重ねが年間の発電量や電気代の削減効果に大きく影響する。

壁面に設置した北海道の個人住宅
住宅向けの製品では、54セルおよび60セル製品の出荷がすでに始まっている。54セルモデルでは、従来の470〜475Wクラスから495Wへと出力が引き上げられた。これまでよりも高い出力を実現しており、同じ屋根でもより多くの電気を生み出せるようになった。セル表面が一体的に見える高いデザイン性も評価ポイントとなる。見た目もすっきりしており、住宅の外観になじみやすい点も特徴だ。影がかかっても発電量が落ちにくいため、住宅が密集した地域でも使いやすい。屋根だけでなく、壁面に設置できる点もメリットといえる。
工場や倉庫向けの産業用製品(72セル)も既に市場に出ている。こうした場所では、ほこりや鳥のふんなどによる汚れが発電量の低下につながりやすい。フルスクリーンを含むBCモジュールは、こうした条件下でも発電量の低下を抑え、高出力を維持できる点で、産業用途での実用性を高めている。
非セル面積削減で
モジュール変換効率25%向上
スタイリッシュな外観と高効率を両立

表面バスリボン面積の排徐

AIKOのBC技術により、これまで太陽光を遮り「影」となっていたバスリボンをすべて裏側に配置した。これにより、セル全面で光を受けられるようになり、モジュール表面の発電面積が1.1%拡大し、8W出力向上した。
セルの重ね溶接技術

セルの端をわずかに重ねて溶接したことでセル間の間隔を完全に無くし、発電面積を0.5%増加させた。そのうえ、配線とセルを平行に配置するフラット構造を採用し、応力を分散させることで長期耐久性を高めている。
従来パネルの欠点を解消
独自の「ABC技術」
AIKOの強みとなっているのが、パネル表面にある配線をすべて裏側に配置するABC(オール・バック・コンタクト)と呼ばれる独自のBC技術である。
従来のパネルでは、折り曲げ部分に負荷がかかり、ひび割れなどの原因になることがあった。ABC技術では、力が分散される構造になっており、長期間使っても壊れにくい。材料の工夫によってコスト面の安定性も高めており、発電効率は世界トップクラスの水準にある。
また、高温時でも発電量が落ちにくく、長年使っても性能の低下が小さい点も特徴だ。影がかかった際の異常発熱を抑える仕組みも備えており、安全性の面でも評価されている。
同社は今後、フルスクリーン製品や軽量防眩型のネビュラシリーズなどを通じて、「同じ面積で、より多く、より安全に発電できる」ことを軸に、日本市場での展開を進めていく考えだ。固定価格買取制度(FIT)の終了や、企業向けの電力契約(PPA)の広がり、設置義務化の動きが進む中で、太陽光発電は「量」よりも「質」が問われる時代に入っている。
BC/ABC技術は、これからの太陽光発電を支える有力な選択肢の一つになっていくだろう。
フルスクリーンを支える
AIKOのABC技術の強み
01 より高い出力
発電性能は従来の470Wや475Wから495Wへと高出力化し、限られた面積で高い発電量を得られる。また、温度特性と劣化率の低さも強みだ。温度係数はー0.26%/℃と、高温時の出力劣化を抑え、年間の経年劣化率も0.35%(TOPConは0.40%)と低い。PPAや自家消費型モデルにおいて、安定した発電量と投資回収の確実性を向上させる。
02 より高い耐ひょう性&防火性
TOPConと比較して、ガラス厚が25%厚いため、耐ひょう性能に優れている。また、業界初となるTÜV Rheinlandの権威ある引火性危険防止認証を取得し、世界でもトップレベルの火災防止の効果を発揮する。
03 出力ロス改善&ホットスポット回避
鳥のふんや障害物、汚れ、積雪などの影や遮蔽物による出力ロスが、モジュールにセル1枚が完全遮蔽された場合の比較テスト結果では、TOPConより30%発電量が多い。また、通常は130~170度に達するホットスポットの温度をAIKOのBC技術では約100度程度に抑えることができ、発火や部材劣化のリスクを抑えた高い安全性を備えている。
DATA
右:産業用AIKO-A-MDE72Mw/Dw
左:住宅用AIKO-A-MCE54Mb/Mw

問い合わせ

Aiko Energy Japan株式会社
東京都港区虎ノ門1-2-8 虎ノ門琴平タワー22階
TEL:03-3528-8590
Email:japanoffice@aikosolar.com
文/大根田康介
SOLAR JOURNAL vol.56(2026年冬号)より転載
Sponsored by Aiko Energy Japan株式会社











