経産省 エネ研 Tia1企業が語る、再エネ導入の最前線【第37回PVビジネスセミナー開催レポート】
2026/04/09
第37回PVビジネスセミナーは、脱炭素社会の実現について政策・技術・ビジネスの視点で熱い議論が繰り広げられた。このレポートでは、各登壇者の講演内容をレポート形式で紹介する。
第37回PVビジネスセミナーは、脱炭素社会の実現に向けた多角的な議論で熱気に包まれました。政策面では、経済産業省や資源エネルギー庁がGX戦略や排出量取引制度、分散型エネルギーリソース(DER)の活用方針を詳説し、市場の枠組みの変化が強調された。技術面では、蓄電池制御や衛星データを活用した適地探索など、最新ソリューションが注目を浴び、運用の効率化が議論されました。また、太陽光パネルのリサイクル技術や中小規模建築物の屋根活用といった現実的な課題も深掘りされ、産学官それぞれの視点から太陽光ビジネスの未来像が鮮明に描かれた、意義深いイベントとなった。
経済産業省
GXグループ 環境経済室 係長
斎藤 大気氏

講演:我が国のGX政策について
経済産業省の斎藤氏は、来年度から本格稼働する排出量取引制度(ETS)を中心に、日本のGX政策の展望を語った。脱炭素・経済成長・エネルギー安定供給の三位一体を目指し、投資支援という「アメ」とカーボンプライシングという「ムチ」を組み合わせた戦略を提示。ETSでは大手企業を対象に、ベンチマーク方式や価格の上下限設定を通じて、市場原理を活用した効率的な排出削減と企業の行動変容を促す狙いを示した。
日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット
主任研究員 尾羽 秀晃氏

講演:省エネ法改正に伴う屋根設置型太陽光発電の導入可能性
日本エネルギー経済研究所の小羽氏は、地理情報システムを用いた分析に基づき、屋根設置型太陽光発電の導入可能性を展望した。立地規制で地上設置型が限界を迎える中、真のボリュームゾーンは省エネ法対象の大規模施設ではなく、中小規模のオフィスビル等にあると指摘。パネル価格低下の一方で高止まりする工事費を最大の障壁と捉え、案件を束ねるアグリゲーション等の戦略的な事業展開が不可欠であると説いた。
経済産業省資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部
新エネルギーシステム課 課長補佐
来海 和宏氏

講演:エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(ERAB)に関連する政策動向
資源エネルギー庁の来海氏は、分散型エネルギーリソース(DER)を活用したアグリゲーションビジネス(E-LAB)の政策動向を解説した。脱炭素化やデジタル化が進む中、太陽光や蓄電池を統合管理し、系統の安定化に資する「柔軟性」の提供が不可欠となっている。アグリゲーターの市場参入を促すため、政府は需給調整市場の整備や機器のDR対応化支援、サイバーセキュリティ指針の策定を推進。双方向のエネルギーフローへの転換により、社会全体の電力コスト最適化と次世代型電力システムの実現を目指す。
華為技術日本株式会社 デジタルパワー事業本部
シニアプロダクトマネージャー 前田 敏德氏

講演:工場からメガソーラーまでPVを支える蓄電池ソリューション
ファーウェイ・ジャパンの前田氏は、工場からメガソーラーまでを網羅する蓄電池ソリューションを発表した。同社はICT分野の知見を活かした「制御技術」を核に、蓄電池やパワコンを統合管理するシステムの優位性を説く。FIP制度への移行や出力制御の増加といった市場環境の変化に対し、自家消費の推進や収益最大化のための蓄電池活用の重要性を指摘。分散型設計による効率向上と、安全性への徹底したこだわりを具体的な強みとして示した。
ワブテック・インスペクション・テクノロジーズ・ジャパン株式会社
プロダクトマネジメント & プロダクトマーケティング
ANI アプリケーションスペシャリスト
今井 崇夫氏

講演:再エネは「設置」から「次の一手」の時代へ
― 2030 年代問題を見据えた太陽光パネルリサイクルと使用済みパネルを分析する蛍光 X 線分析 ―
太陽光パネルの大量廃棄が予測される「2030年問題」を背景に、ハンドヘルド蛍光X線分析計を用いた効率的なリサイクル手法を提案した。本発表では、現場で非破壊かつ迅速に有害物質や有価金属を特定できる分析技術の重要性を強調している。早稲田大学との実証実験やリサイクル施設での導入事例を通じ、正確な元素分析が資源循環の安全性向上とコスト最適化に寄与することを具体的に示した。
株式会社WHERE
エバンジェリスト 高野 智樹氏

講演:衛星データ活用で広がるオンサイトPPA
株式会社WHEREの高野氏は、衛星データを活用したオンサイトPPAの適地探索について発表した。太陽光発電や蓄電所の設置場所探しは、従来Googleマップ等を用いたアナログな作業が主流であり、多大な工数を要していた。同社はJAXA認定の解析技術とAIを用い、屋根形状の判別や面積、行政規制、登記情報を統合管理するシステムを開発。属人的な探索を効率化し、開発案件の組成を劇的に加速させる手法を提示した。
Sigenergy Japan株式会社
General Manager of Japan&Korea
趙 宏碧氏

講演:業界初!!『高圧&低圧向けDCリンク蓄電ソリューション「併設型蓄電案件の最適解」』
日本の蓄電市場が抱える搬入、保守、安全性の課題に対し、独自の技術視点から解決策を提示した。中核となる産業用ハイブリッドパワコンと小型蓄電池は、人力で作業可能な軽量設計により重機コストを削減する。また、DCカップリング方式の採用でシステムを簡素化し、効率化と低コスト化を両立させた。IP66の耐久性やAIによる調整機能を備え、運用の信頼性を高める製品群であることを話した。
GoodWeJapan株式会社
プレセールス
佐藤 英也氏

講演:日本市場に最適化された蓄電池システムの「現実解」
自社の概要、蓄電池市場の分析、及び同社のソリューションについて語った。同社は中国に本社を置き、発電から消費までの一貫した「エネルギー循環」を多様な製品群で実現している。日本市場に対しては、数年かけて認証を取得するなど品質を重視。蓄電市場が今後、大型集中型から分散型へ移行するとの視点に基づき、住宅用から産業用まで、地域や用途に応じた製品を提案した。








