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蓄電池ソリューションはここまで進化した ファーウェイが示す「技術×金融」の最適解

ファーウェイが中規模産業用蓄電システムの新製品を日本市場に投入した。多様化する蓄電ニーズに応えるだけでなく、収益性そのものを設計することを狙った製品だ。同社はこれを「技術×金融」によって蓄電価値を最大化するソリューションと位置づける。

<目次>
1.技術差が収益差を生む時代へ 「技術×金融」で事業性を設計
2.出力可変パワコンを内蔵し「低圧」にも「ニッパチ」にも対応
3.安全性がコストと収益を左右 多重防護で火災リスクを低減
4.グリーンファイナンスに貢献 高性能で資金調達を後押し
5.系統貢献が収益機会を広げる GFMで市場対応力を強化

画像は系統用蓄電池の導入例

技術差が収益差を生む時代へ
「技術×金融」で事業性を設計

蓄電システムの選定には、長期的かつ広範な視点が不可欠だ。充放電効率の差は長期運用における収益に大きな違いをもたらし、耐火性能の差は保険料や資金調達コストにも響いてくる。

ファーウェイがこのほど日本市場に投入した中規模産業用蓄電システム「LUNA2000-241-2S1-DS」は、「安全性を起点とした統合的な最適化によって蓄電事業の収益性を最大化する」という設計思想のもとに開発された。同社はこれを「技術×金融」とも称し、収益モデルの強化や資金調達力の向上に直結するソリューションであるとする。

2026年4月、低圧リソースの需給調整市場への参入が解禁され、低圧VPPが高収益ビジネスとして成立する条件が整った。蓄電システムの収益機会はさらに広がりつつある。
 

出力可変パワコンを内蔵し
「低圧」にも「ニッパチ」にも対応

「LUNA2000-241-2S1-DS」は蓄電容量241kWh、パワコン内蔵型で、需給調整市場への対応機能も備えている。この内蔵パワコンは、出力を可変運用することが可能だ。例えば、出力を49.9kWに制限することで、低圧の系統用蓄電所として運用することができる。

あるいは、出力を38.8kWに設定すれば、6台設置でニッパチ構成(2/8h)の蓄電所を容易に構築することができる。

FIT電源をFIP転換して蓄電池を併設するという場合にも、有力なソリューションとなる。既存の系統枠を活用できるので、蓄電池ビジネスへの早期参入が可能だ。加えて、需要家併設型の自家消費ソリューションとしても、ちょうどよいスペックといえる。

同システムは、パワコンの他、DCDC、冷却モジュール、制御・保護機能を単一筐体に格納したオールインワンタイプのコンパクト設計。そのため、まとまった土地がなくても導入可能だ。重量も2.8tと、搬入しやすい重さに抑えられている。また、背面と側面の3方向近接設置が可能なため、複数台を並べる場合にもレイアウトの制約が少ない。加えて、動作音が小さく、高周波などによる周辺電気設備への影響・干渉もほとんどないため、住宅・工業団地の近くにも安心して設置できる。

 

安全性がコストと収益を左右
多重防護で火災リスクを低減

防火性能の高さは、リスク管理の問題にとどまらない。延焼リスクの低減は保険コストの低減につながり、設備寿命の延伸は長期収益に直結する。とりわけ住宅街や商業施設に隣接する低圧分散型蓄電システムにおいては、延焼リスクへの備えは重要となる。

ファーウェイの蓄電システムには、電気と熱の両面から多層的な安全対策が講じられている。セル間断熱素材によって熱暴走の伝播を阻止し、電池パックはIP65密閉構造と正圧酸素遮断によって燃焼リスクを低減。システムには5段階の電流保護と、24時間リアルタイムの漏れ電流検出を装備する。さらに、指向性防爆ダクトにより、可燃性ガスの拡散や爆発を防止。キャビネット外装は1時間の耐火性能を誇る。その安全性の高さは、国際的な第三者認証機関TUV(ドイツ)から、業界初のSafetyPrime認証を受けていることからも明らかだ。
 

グリーンファイナンスに貢献
高性能で資金調達を後押し

性能面では、電池セルを従来より大きい314Ahタイプに変更するなど、基本スペックを底上げ。電池パックごとにオプティマイザーを搭載することで、充放電残量0〜100%の満充電・完全放電を実現した。空冷・水冷のハイブリッド冷却により補機電力も約30%削減し、これまで以上に収益性の高い蓄電池運用を可能にしている。

充放電効率においては、ドイツVDE認証機関による実測で92%(業界平均88%)を記録した。さらに、電池パックごとに双方向アクティブバランシング機能を搭載し、充電状態を均等化することで放電深度100%のフル充放電を実現。セル間温度差も、独自のデュアルループ設計により2.2度未満に抑えている。これらの効果により、10年間のSOH(State of Health:バッテリー健全度)平均値は2%向上し、同システム1台あたり約45万円の収益向上を見込むことができるという。

こうした性能アップと第三者機関による認証の積み重ねは、グリーンファイナンスやグリーンABS(Asset Backed Securities:資産担保証券)を活用した資金調達においても有利に働く。加えて、ファーウェイ独自のクラウドSaaS型管理システム「FusionSolar」による稼働状況と収益性の継続的な可視化が、資金調達に際しても客観的な裏付けを提供することになる。
 

系統貢献が収益機会を広げる
GFMで市場対応力を強化

蓄電システムへの期待は、充放電機能にとどまらず、電力系統全体へと広がっている。ファーウェイのソリューションは、グリッドフォーミング(GFM)機能と高度なソフトウェアにより、系統貢献という付加価値を提供する。GFMは系統が不安定な状況下でも自ら電圧と周波数を形成して電力系統を支える機能であり、将来的な制度変更への適応力を担保するものでもある。

ファーウェイは本システムについて、「設計・運用・運営の全プロセスを貫くスマート管理により、自動設計・自動運用・AI制御を実現しました。運用コストを50%以上削減するとともに、収益性を大幅に向上させ、シンプルかつ高効率なエネルギー運用をサポートします」と述べている。

LUNA2000-241-2S1-DSが、環境変化の激しい蓄電池市場に、新たな基準をもたらすものになることは間違いない。蓄電池ビジネスのこれからの進化に、期待が膨らむ。

問い合わせ

華為技術日本株式会社(ファーウェイ・ジャパン)
東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエアウエストタワー12F
TEL:03-6266-8051


取材・文/町公司

SOLAR JOURNAL vol.57(2026年57号)より転載

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