太陽光イベント

太陽光発電協会、新春交流会を開催。「2040年22~29%、2050年400GW」に向けて

太陽光発電協会(JPEA)は1月15日、新春交流会を都内ホテルで開催した。冒頭挨拶に立った代表理事の山口悟郎氏(京セラ代表取締役会長)は、地域共生を柱に、「第7次エネルギー基本計画」で示された太陽光への期待に応えていく決意を表明した。

山口代表理事の
あいさつ(要旨)

世界気象機関によると、2024年の世界の平均気温は産業革命前に比べて1.6度高くなり、2年連続で史上もっとも暑い年になりました。このためかは分かりませんか、昨年はスペインでの大洪水やオーストラリアの大規模森林火災など、甚大な自然災害が世界各地で頻発しました。今年に入っても、ロサンゼルスの山火事では甚だしい被害が出ております。何かがおかしくなっていると実感せざるを得ません。

一方で、世界の太陽光発電は急拡大をしており、2023年の新規導入量は456GW、累計導入量で1.6TWに達しました。エネルギーの安定供給、脱酸素の面からもこの流れはますます進むものと推定されます。

他方、国内の導入量は低迷状態からなかなか脱し切れておらず、JPEAビジョンの2030年125GWの達成が危ぶまれるなか、昨年4月に再エネ特措法が改正され、地域との共生を前提とした規制強化・許認可手続きの厳格化が盛り込まれました。平行して、長期安定電源化に向けたFIPへの移行促進や小規模発電事業の集約化、パネルのリサイクル制度の準備もすすめられ、新たなステージに向けて目まぐるしい変化に直面しております。

国は、第7次エネルギー基本計画として2040年のエネルギーミックスの目標値を示しました。再エネが4割から5割程度、そのうち太陽光は22~29%程度と足元の実績から倍増以上のたいへん高い目標となっております。JPEAでは、昨年7月に太陽光発電産業の新ビジョン「PV OUTLOOK 2050」を公表し、最新の統計データや調査分析などをもとに、2050年400GW導入の道筋を示しています。

また、11月には「ソーラーウィーク2024」を開催し、ソーラーウィーク大賞の表彰では、受賞事業のほぼすべてが地域に根差して成功している営農型太陽光発電事業となりました。このような地域の暮らしと経済を豊かにする「地域創生」「地域課題解決型」の模範事例を、ぜひ全国にすすめていきたいと考えております。

さて、最後に今年についてですが、JPEAビジョンの400GW導入実現に向けた具体的なアクションとして、新築住宅へのさらなる導入の拡大、公共施設への普及促進、営農型太陽光発電の推進、BIPVや垂直設置への取り組みなど、関連省庁をはじめ関係者の皆様のご協力を賜りながら、国内導入量を右肩上がりに軌道修正していきたいと考えております。

脱酸素とエネルギーの安定供給、経済成長の同時実現に向けて、太陽光発電の普及拡大という大義を果たすべく、皆様とともに一致団結して邁進してまいりたいと思います。

PROFILE

太陽光発電協会 代表理事

山口悟郎氏

新春交流会には、来賓として経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長の伊藤禎則氏、環境省 地球環境局長の土居健太郎氏、国土交通省 住宅局 参事官の前田亮氏が登壇し、それぞれ太陽光導入拡大に向けた積極姿勢を示した。

来賓

国土交通省 住宅局
参事官 建築企画担当

前田亮氏


環境省 地球環境局長

土居健太郎氏


経済産業省 資源エネルギー庁
省エネルギー・新エネルギー部長

伊藤禎則氏


取材・文・写真:廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.52(2025年冬号)より転載

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