【PVビジネスセミナーレポート】再エネ導入拡大と電気需要の最適化

2025/12/02

第35回PVビジネスセミナーが9月12日（金）に開催された（リアル会場は恵比寿駅近く）。「再エネ導入拡大と電気需要の最適化」をテーマにスピーカーが多数登壇し、会場を訪れた聴衆とオンライン参加者はじっくりと耳を傾けた。価値最大化のポイントについてさまざまな学びを得られる場になったようだ。セミナー後の懇親会も盛況。太陽光業界の発展に尽力する方々がビジネスの情報交換をしながら、楽しい時間を過ごした。

公民学連携スマートシティ・
柏の葉が目指すもの

千葉県柏市
企画部経営戦略課 主査

野口 慧太氏

千葉県柏市では、公・民・学が連携して、「柏の葉スマートシティプロジェクト」を進めている。エネルギー管理システムにより、効果的なCO2削減とエネルギー情報の見える化を行い、災害時にはエレベーターや避難所などのライフラインに優先して電力を配分するなど、地域エネルギーの効率的な活用・監視・制御を実現している。

高効率エネルギーマネジメントを実現する
太陽光＋蓄電池制御技術

シングナリオ株式会社
営業マネージャー

黄 少甫氏

シングナリオは太陽光発電や蓄電池の効率的な活用を実現するAI搭載のEMS監視制御ソリューションを提供している。自家消費向けEMSでは、ピークカットや電気代削減、遠隔監視による管理効率化など、さまざまなニーズに対応したEMSを提供し、事業者さまの利益最大化をサポートしている。

業界初!!
「高圧＆低圧向けDCリンク蓄電ソリューション
『併設型蓄電案件の最適解』」

Sigenergy Japan株式会社
営業部　本部長

三森 高貴氏

Sigenergyの自家消費ソリューションは、「CAPEX（設備投資）が安い」、「OPEX（運用コスト）が安い」、「収益性が高い」のが最大の特長だ。「完全モジュール式」の蓄電システムで柔軟な設計が可能である。DCカップリングにより設備投資が節約できるほか、積み重ねだけで設置できることで、設置する時間と人件費を節約できる。

系統用蓄電池事業の可能性
－現状と課題

公益財団法人自然エネルギー財団
主席研究員

工藤 美香氏

系統用蓄電池は導入本格化からまだ日が浅く、事業としては発展の初期段階にある。そのため、知見の蓄積は限られ、市場などの制度が追い付いていない部分が少なくない。早急に取り組むべき課題として、「系統接続の申請手続きの集中と長期化」や「市場からの収益の不確実性」などを指摘した。

住宅用太陽光の世界標準：
分散型パワコン（米Enphase Energy
マイクロインバータ）の紹介

エンフェーズ・エナジー・ジャパン合同会社
日本カントリーマネージャー

永井 文策氏

当社のマイクロインバーターは安心の25年長期保証で、拡張性にも優れている。モジュールレベルでの出力最大化が可能で、安全性が高く、パネル単位で発電量や状態を管理することができる。トラブルが発生した場合、遠隔からピンポイントで状態を把握し、迅速な対応が可能だ。

ペロブスカイト太陽電池の
実用化への技術的課題と展望

桐蔭横浜大学
大学院工学研究科 研究科長

池上 和志氏

池上氏は、ペロブスカイト太陽電池の生みの親である宮坂特任教授とともに開発を進めてきた。屋外での耐久性を高めるため、横浜市のみなとみらい地区で実証に取り組んでいる。ペロブスカイト塗布の省力化・効率化に向けて、安定的に成膜できる製造システムの開発を目指している。

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エンフェーズ

取材・文／ソーラージャーナル編集部

SOLAR JOURNAL vol.55（2025年秋号）より転載

2026年2月13日（金）に開催する「第37回PVビジネスセミナー」では、経済産業省資源エネルギー庁新エネルギーシステム課 課長補佐の来海和宏氏が「分散型エネルギーシステム構築に向けた政策動向」について解説します。

2026年度から日本企業の経営戦略を左右するエネルギー制度が大きく変わります。「省エネ法」「排出量取引制度」「需給調整市場」が同時に進展し、「電力を使う側（需要家）が動く時代」が本格的に到来します。今回のセミナーでは、国の政策や制度が変革するなか、脱炭素化の急加速にどのように対応するべきかを徹底解説します。「屋根設置太陽光の目標義務化」や「排出量取引制度」への対応とともに、分散型エネルギーシステム構築や蓄電池活用の最新動向を紹介します。国や地方自治体の政策動向に詳しい専門家や、業界をリードする事業者を登壇者としてお迎えし、皆様と一緒に考えるセミナーを予定しております。