業界ニュース

【2022年度FIT/FIP】太陽光第12回入札、初のFIPも募集容量を大きく下回る

注目された初めてのFIPによる太陽光入札は、募集容量に届かず、落札者は5件という結果であった。同時に実施されたFIT入札も前回に引き続き、募集容量を下回った。FIP入札の幕開けは、低調な結果となった。

いずれも募集容量には大幅未達
FIP区分の落札件数はわずか5件

初のFIP制度による太陽光第12回入札の結果が6月17日、電力広域的運営推進機関(OCCTO)によって発表された。2022年度より、FIT・FIP制度の入札業務はOCCTOへ移管されている。

今回、太陽光入札の対象となったのはFIP対象区分で出力1,000kW以上の新規認定設備だ。補足すると、FIP制度の入札対象区分では、プレミアムを算定するための「基準価格」を入札で定める。FIT対象区分では、これまでと同様に250〜1,000kW未満が入札の対象となった。

募集容量は、FIP区分で175MW、FIT区分で50MWとされた。あらかじめ公表された上限価格は1kWhあたり10.00円だった。

これに対して落札されたのは、FIP区分で5件、FIT区分で39件であった。また、落札容量は、FIP区分で128.94MW、FIT区分で24.7647MWと、いずれも募集容量を大幅に下回った。

FIP区分の入札結果について詳しくみてみると、最高落札価格が1kWhあたり9.90 円、最低落札価格が同9.85 円、加重平均落札価格が同9.87円だった。なお、入札に参加することができる旨を通知したのは12 件・179.0211MWだとされている。

落札した5件のうち、もっとも発電出力が大きいものはパシフィコ・エナジー徳山合同会社の76.8MWであった。

FITの平均落札価格は9.93円
注目される今後の入札の動向

一方で、FIT区分については、最高落札価格が1kWhあたり10.00 円、最低落札価格が同9.80 円、加重平均落札価格が同9.93円とされた。入札に参加することができる旨を通知したのは52件・32.8612MWであった。

前回の太陽光第11回入札は、募集容量278.5946MWに対し268.7099MWの落札と、募集容量にわずかに届かなかったが、今回はFIT/FIP区分のいずれも大きく未達となった。(参考:【2021年度FIT】太陽光第11回入札、平均落札価格は9.99円に。募集容量には達せず|SOLAR JOURNAL

2022年度の太陽光入札も、昨年度と同じく年4回実施される予定だ。入札の上限価格は段階的に引き下げられ、第13回では1kWhあたり9.88円、第14回では同9.75円、第15回では同9.63円となる。次回の太陽光第13回入札は、事業計画の受付期間が7月15日までとなっている。

DATA

電力広域的運営推進機関:太陽光第12回入札(令和4年度第1回)(FIP)の結果について
電力広域的運営推進機関:太陽光第12回入札(令和4年度第1回)(FIT)の結果について


文:山下幸恵(office SOTO)

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【新技術】カーボンナノチューブ電極を用いてペロブスカイト太陽電池の耐久性を大幅改善!...
  2. いつまで続けるのか、ガソリン補助という愚策
  3. 【受付中】2/13 東京都の補助金で加速!《エネマネ》セミナー ~EV、充電設備、ERAB最新事情~...
  4. 【参加受付中!】2025年1月29日(水)「第32回PVビジネスセミナー」
  5. 来年度政府予算案 需要家主導型事業に前年度並み 98億円を計上
  6. エネ基で“標的”になった太陽光発電と、原子力発電の本当の実力
  7. 《東京都の補助金解説》エネマネで太陽光・EV・充電設備・ERAB事業のメリットを最大化!...
  8. 【第7次エネルギー基本計画の原案公表】40年度に太陽光は22~29%程度、風力は4~8%程度...
  9. 太陽光業界を牽引!トリナ・ソーラーが26.58%の変換効率を記録更新
  10. 「雑草」がエネルギー源に!? 名城大が発電を実演
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.51 | ¥0
2024/10/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ