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デロイト 売却希望の太陽光発電マップを提供

デロイトトーマツグループは、発電事業者などが売買を検討している太陽光発電所や再エネ電力をインターネットで検索できるプラットフォームの提供を3月23日から開始する。太陽光発電所のセカンダリー市場の活性化や適切な所有者への移管、需要家の再エネ調達を支援したいとしている。

売却希望の発電所を
データベース化

デロイトトーマツのプラットフォーム「Renewable Energy Platform」は、全国の売却希望の事業用太陽光発電所や再エネ電力の販売を検討している発電所をデータベース化して地図上に示す。購入希望者は、設置場所や発電出力などを入力して発電所や再エネ電源を検索できるため、必要な用途に合わせて適切な発電所の取得検討や、再エネ電力調達に向けた情報獲得が可能となる。

同社では、このプラットフォームを通じて、発電所の売却希望者や再エネ電力の販売希望者が、全国の購入希望者に広く情報を提供し、適切なタイミングや価格で売却チャンスを獲得することができるとしている。売り手は登録料が無料で、買い手は月10万円の登録料を支払うことで情報を閲覧できる。価格交渉は当事者同士に委ねる。取引成立時に手数料は受け取らない。買い手は、デロイトトーマツに1件あたり20万円の追加料金を支払えば、発電所の稼働率や電源の市場価値などの情報提供を受けることができる。発電所の事業性評価や再エネ戦略の相談などについても、別途コンサルティング業務として有料で支援を受けることができるとしている。

セカンダリー市場で
取引案件が増加

太陽光発電所の売却希望が全国的に増加

2012年7月のFIT制度開始以降、事業用の太陽光発電所は新規開設が急増した。卒FITの時代を迎え、ここ数年はセカンダリー市場で取引される案件が増加している。このため、全国各地で再エネ事業会社やコンサルタント会社などが、太陽光発電所の売買仲介事業に相次いで参入している。

デロイトトーマツは、3月23日から情報提供を開始する。今後は、「卒FIT」を迎える太陽光発電所の売却希望が全国的に増加すると予想されることから、新たに開設するプラットフォームを通じて情報を見える化して、セカンダリー市場の活性化や適切な所有者への移管、需要家の再エネ調達を支援し、再エネ投資全体の活性化に貢献したいとしている。今後は、検索可能な発電所を増やし、風力やバイオマスの発電所のデータベース化を進める方針。

このほかにも同社は、2021年1月に洋上風力発電の国内導入拡大に向けた事業支援専門家チームを立ち上げ、再エネ分野のコンサルティング体制を強化している。今後は、政府・自治体向けに国内外の政策や技術・市場動向調査や政策立案の支援、技術開発事業の運営のほか、産業競争力の強化、観光振興、水産振興など関連分野の支援を提供する。民間企業向けには、市場参入戦略の検討や入札支援のほか、資金調達・会計・税務・法務アドバイザリーなどのサービスを提供し、エネルギー関連企業や商社、保険会社をはじめとする多様な業種の事業参画を支援したいとしている。

DATA

デロイトトーマツグループ ニュースリリース
プラットフォーム「Renewable Energy Platform」


取材・文/高橋健一

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