革新的な太陽光発電技術、LIXILのPVロールスクリーンシステムが大賞受賞
2024/12/09
LIXILの屋内設置型太陽光発電設備「PVロールスクリーンシステム」が、「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」で大賞を受賞した。この革新的なシステムは、発電機能と省エネ、快適な居住空間の実現を兼ね備え、脱炭素社会の実現に貢献することが期待されている。
近年、環境意識が高まる中で、脱炭素技術の重要性が一層認識されている。その中で、LIXILが開発した「PVロールスクリーンシステム」が、2024年12月4日に発表された「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」で大賞を受賞した。この革新的な製品は、太陽光発電技術と既存の建物に容易に設置できる機能性を融合させ、脱炭素化の実現に向けた新たな道を切り拓いている。環境負荷を軽減しつつ、建物の省エネや快適性向上にも貢献するこのシステムには、今後の普及に対する大きな期待が寄せられている。
以下、株式会社LIXILのプレスリリースより。
LIXILの屋内設置型太陽光発電設備「PVロールスクリーンシステム」が「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」で大賞を受賞
株式会社LIXIL
2024年12月4日 13時00分株式会社LIXILのロールスクリーン状の屋内設置型太陽光発電設備「PV(太陽光発電)ロールスクリーンシステム」は、その開発と実装への取り組みが評価され、この度環境省が主催する「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」の開発・製品化部門(緩和分野)において、大賞を受賞しました。
登壇者左から、環境省 地球環境局長 土居 健太郎氏、株式会社LIXIL LHT 技術研究所主任研究員 石井 久史
「PVロールスクリーンシステム」は、脱炭素に貢献できる技術の一つとして、LIXILが2022年・23年にNEDO助成事業(課題設定型産業技術開発費助成事業)の支援を受け開発しました。既築ビルの窓まわりへ室内側から容易に後付け(設置)でき、従来のロールスクリーン機能である遮光性やプライバシー保護に加えて、発電や電力取出機能(USB-C PD 対応, DCジャック)を備えております。また、断熱性の向上やコールドドラフトの抑制効果などが得られるため、「省エネ」と「創エネ」により脱炭素化とレジリエンス対応が期待されています。
また、屋根や壁面に設置する太陽光発電設備と比べ、少ない手間やコストで設置でき、メンテナンスも室内側から容易に行うことができます。「PVロールスクリーンシステム」を日本で設置可能な窓(1.4億㎡(※1))のすべてに導入した場合、CO₂排出削減量が建設セクターの2030年削減目標の約12%に相当することが試算されています(※2)。そのため、脱炭素への貢献する製品としての開発と普及を進めています。
「PVロールスクリーンシステム」は、2022年からの開発以降、自社社屋での実証実験に加え、今年の3月には福岡県宗像市内の施設3か所(宗像市役所、東郷地区コミュニティ・センター、城山中学校)で「PVロールスクリーンシステム」の実証実験を行う協定を結びました。また、2024年度のグッドデザイン賞を受賞するなど、脱炭素社会の実現に貢献する商品として注目されています。
日本の2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、太陽光発電の普及が急がれるなか、既存の建物に太陽光発電を設置の検討、技術開発が進められています。発電による創エネに加え、断熱性や遮光性など建物内の環境を最適化し、その効果を定量化している点が今回大賞の受賞理由となりました。
LIXILは脱炭素社会の実現に向けた「省エネ」製品に加え、「創エネ」技術を有する製品の一つとして革新的な「PVロールスクリーンシステム」の普及・利用促進に向けた一般発売を目指してまいります。
※1 NEDO委託事業 高性能高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発動向調査、2016年9月
※2 石井久史、壁面設置太陽光発電システム設計・施工ガイドライン2023年度版、PVTECニュース、2024年 Vol.96 3月号 2024年3月 https://www.pvtec.or.jp/data_files/view/356/mode:inline
参考資料
■「PVロールスクリーンシステム」特長
「PVロールスクリーンシステム」は、発電や蓄電機能及び電力取出機能(USB-C PD 対応, DCジャック)などを兼ね備えているほか、施工性やメンテナンス性、視界の自由度とプライバシーへの配慮の両立、デザイン性にもこだわっています。また、夏場は独自構造採用により、日差しを遮ることで眩しさや暑さを軽減し、冬場は断熱性が約2倍に向上(※)するなど、窓まわり全体の価値向上を実現しています。日常使いのほか、災害時のレジリエンス強化にも繋がります。※既存の単板ガラスにPVロールスクリーンシステムを後付けした場合
参考:
2022年7月プレスリリース
既築ビルにおける脱炭素化への貢献とBCP対応に寄与する 「太陽光発電ロールスクリーンシステム」を開発し、実証実験開始
2024年4月プレスリリース
脱炭素社会の実現に向け、福岡県宗像市とLIXILが提携 「PVロールスクリーンシステム」の実証を開始
About LIXIL
LIXILは、世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいを実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。ものづくりの伝統を礎に、INAX、GROHE、American Standard、TOSTEMをはじめとする数々の製品ブランドを通して、世界をリードする技術やイノベーションで、人びとのより良い暮らしに貢献しています。現在約53,000人の従業員を擁し、世界150カ国以上で事業を展開するLIXILは、生活者の視点に立った製品を提供することで、毎日世界で10億人以上の人びとの暮らしを支えています。
株式会社LIXIL(証券コード: 5938)は、2024年3月期に1兆4,832億円の連結売上高を計上しています。
LIXILグローバルサイト:https://www.lixil.com/jp/
引用:prtimes.jp
脱炭素社会実現に向けた一歩
LIXILが誇る「PVロールスクリーンシステム」は、脱炭素社会実現に向けた重要な一歩として評価されている。このシステムは、発電機能を持ちながらも、窓の断熱性や遮光性を強化することで、省エネ効果と快適な居住空間の実現を可能にした。加えて、施工が簡単でメンテナンスも容易なため、既存の建物への導入が進みやすい特徴も備えている。今後、このシステムが広く普及し、脱炭素社会の実現に向けた一助となることが期待されている。