地域課題の解決×太陽光発電設備導入。最重要ファクターは”地域との共生・共創”
2025/06/19

地域課題を解決するための有効な手段として、再エネ導入を進めるという目線が大切。太陽光発電の普及拡大のためには「地域との共生・共創」が最重要ファクターになる。
1.JPEA VISION
2.自治体の再エネ推進の課題
3.各地域が抱える課題
4.太陽光で課題を解決
JPEA VISION
太陽光発電協会(JPEA)は3月、「ソーラーウィーク大賞」オンライン講演会を開催した。ソーラーウィーク大賞は、地域に貢献し、地域から望まれる太陽光発電事業を表彰するものであり、「太陽光発電の地域貢献の可能性」について多くの人に認知してもらうことを目的として、2023年に創設された。
今回講演を行ったのは、大賞を受賞した市民エネルギーちばほか、2024年度の受賞者(受賞者の詳細は本誌51号で既報)と、JPEAの新市場拡大推進委員会 公共・自治体WG。ここでは、同WGが整理した自治体・地域が抱える課題について紹介したい。
太陽光による“地域再生”成功の秘訣とは? JPEAソーラーウィーク大賞、受賞者が語る【前編】
太陽光による“地域再生”成功の秘訣とは?JPEAソーラーウィーク大賞、受賞者が語る【後編】
自治体の再エネ推進の課題
①自治体内の関連部署において、脱炭素への問題意識が低く協力体制が得られない。
②住民や民間企業に対して脱炭素の機運を高める手法がわからない。
③情報や人材リソースが不足している。(特に推進リーダーや電気/建築の技術系職員)。
④担当者(または部門)自身の電気や太陽光発電設備に対する経験・知見が乏しい。
⑤事業者との役割分担がわからない/アプローチする「伝手」も「時間」も無い。
⑥自治体間の枠組みが定まっていないため、相互で効率的なアプローチや検討が進まない。
⑦域内で問題となっている太陽光発電所やネガティブなイメージがある。
各地域が抱える課題
各自治体における地域の課題は様々であるが、脱炭素を推進していく上で紐づけられる課題は、一定の内容に集約されてくる。再エネ推進部門は、地域の抱える課題を担当する当該部門との連携を強化し、参画する事業者が実現したい事項とのベクトルを合わせ、それを自治体としての将来像に結び付けていくことが重要となる。
太陽光で課題を解決
JPEAでは、こうした課題の解決に役立っていくことが、これからの太陽光発電の普及拡大には不可欠であり、「地域との共生・共創」が最重要ファクターであるとしている(下図)。そして、地域課題解決へ太陽光発電を活用して取り組んでいるベストプラクティスを多くの皆様に知ってもらうために、今年も「ソーラーウィーク大賞」を選定・表彰する。なお、2025年度「ソーラーウィー大賞」の募集は7月から開始される。
出典:太陽光発電協会
取材・文:廣町公則
SOLAR JOURNAL vol.53(2025年春号)より転載
9月12日(金)に開催する「第35回PVビジネスセミナー」では、次世代太陽電池の開発研究に取り組む桐蔭横浜大学医用工学部教授の池上和志氏が「ペロブスカイト太陽電池の可能性と課題」をテーマに講演します。
「第7次エネルギー基本計画」では、太陽光発電と蓄電池の導入拡大を進めるなか、供給側の変動に応じて電気需要の最適化を図る必要性が高まっています。今回のセミナーでは、国の政策動向とともに、産業用の自家消費やPPA、系統用蓄電池の最新の動き、国内外で開発された最新テクノロジーなどを紹介します。