政策・制度

2022年度からの「オンライン代理制御」で何が変わる?  低圧含め5エリアで開始か

出力制御が2022年度から大きく変わる。変更のポイントは2つ。1点目は「オンライン代理制御」が導入されること、2点目は10~500kW未満の太陽光発電設備が対象に加わることだ。九州に加え北海道、東北、四国、沖縄でも開始が秒読みの「オンライン代理制御」とは?

オフライン事業者が対価を支払い
オンライン事業者が代わりに抑制

「オンライン代理制御」とは、出力制御のオンライン化を行っている事業者が、行っていない事業者の代わりに出力制御に対応することだ。出力制御を代理で行ったオンライン事業者には、代理制御とみなされる発電量に通常の買取単価を乗じた「買取代金」が対価として支払われる。逆に、オフライン事業者の売電収入からは、買取代金に相当する金額が控除されることで、オフライン事業者が出力制御を実施したとみなされる。このように、出力制御を料金精算で代行するため「経済的出力制御」とも呼ばれる。

なぜオンライン代理制御を行うのかというと、出力制御の全体量を減らすためだ。オンラインによる出力制御は、手動で行うオフラインの場合と比べて迅速かつ柔軟な運用ができる。そのため、効率化につながり、出力制御の総量を低減できると期待されている。

こうした背景から、経済産業省は、2022年度からオンライン代理制御を導入するとして詳細の制度設計を進めている。

北海道など4エリアでもスタートか
10~500kW未満も新たに対象に

12月15日の経産省・系統ワーキンググループでは、一般送配電事業者各社が2022年度の出力制御の見通しを発表した。発表によると、すでに出力制御を実施している九州電力だけでなく、北海道電力、東北電力、四国電力、沖縄電力でも来春からオンライン代理制御を実施する可能性が高いとされた。

同時に、これまで旧ルールでは対象外とされてきた10~500kW未満の太陽光発電設備を、来年度から出力制御の対象に加える。これによって、10kW以上の低圧の太陽光発電設備も出力制御の対象となる。

(オンライン代理制御導入後の出力制御の区分。出典:経済産業省)

さらに経産省は、将来的にはオフライン制御をなくし、オンライン制御とオンライン代理制御の2つで出力制御を実施していく考えも示した。

DATA

第35回 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会/電力・ガス事業分科会電力・ガス基本政策小委員会 系統ワーキンググループ


文:山下幸恵(office SOTO)

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