【シリーズ 太陽光義務化元年】京都府 0円ソーラーをポータルサイトで導入促進
2023/06/26
京都府は、2012年4月に延べ床面積2,000㎡以上の建物を建てる際に太陽光発電の設置を義務付ける条例を施行した。京都市と連携して0円ソーラーの専用ポータルサイトを開設し、ソーラー事業者と設置希望者のマッチングを進めている。
2012年4月に
全国初の条例施行
京都0円ソーラープラットフォーム(出典 京都府)
京都府は2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロの実現を目指し、再生可能エネルギーである太陽光発電設備の普及拡大を図っている。その一環として、2012年4月には全国で初めて、延べ床面積2,000㎡以上の建物を建てる際に太陽光発電の設置を義務付ける条例を施行した。さらに2020年には条例を改正し、延べ床面積300㎡以上の住宅やビルなどに太陽光発電の設置を義務づけ2022年4月に施行している。
また、京都府は太陽光パネルの普及促進に向け、初期費用ゼロで太陽光発電設備を導入できる「0円ソーラー」の設置を支援している。府民や事業者の理解を深めるため、京都市と連携して専用ポータルサイト「京都0円ソーラープラットフォーム」を開設している。所定の条件を満たした「0円ソーラー」プランを提供している事業者(0円ソーラー事業者)と、太陽光発電設備の導入を検討している府民や事業者などのサービス利用者とのマッチングを促進するオンラインポータルサイトで、初期費用ゼロ、停電時の電気供給、故障時の交換・修理対応のメンテナンスサービスなど、京都府が定める要件を満たしているプランを、住宅用と事業用をそれぞれ紹介している。プラットフォームが行うのは、府民や事業者などと0円ソーラー事業者のマッチングまでで、現地調査、設置案の確認、見積、契約は当事者同士が行う仕組みになっている。
住宅向けプランに
補助金を交付
京都0円ソーラープラットフォーム(出典 京都府)
「事業者向け0円ソーラー」には、6事業者の6プランが登録されており、「住宅向け0円ソーラー」には、8事業者の計12プランが登録されている。これらのプランには、契約者が使用した分の電気料金を支払う「電力販売契約」と、設置した太陽光発電設備のリース代金を支払う「リース契約」がある。契約期間は、電力販売契約が10~20年、リース契約が5~20年程度となっており、契約期間終了後は、太陽光発電設備がサービス利用者に無償譲渡される。なお、住宅向けプランのうち、太陽光発電設備の設置を府内事業者が施工するなどの要件を満たしたプランについては、2021年度から京都府が補助金を交付し、10万円相当がサービス利用者に還元される取り組みも行っている。7月7日(金)のPVビジネスフォーラムでは、京都府総合政策環境部脱炭素社会推進課 参事の小林洋一郎氏が京都府の脱炭素施策について講演する。
DATA
取材・文/高橋健一