政策・制度

東電PG、2024年度に最大1510kWの再エネ出力制御の見通し。対象はノンファーム電源

東京電力パワーグリッド(東電PG)は10月16日、来年度の系統制約による再生可能エネルギー出力制御の見通しをめぐって、2024年度以降、再エネ出力制御を行う可能性があると発表した。実施されれば、東電PGエリアでは初のケース。ノンファーム電源を対象に「一律制御方式」で行うとしている。

群馬と山梨の2系統で1510kW
ノンファーム電源を対象に実施

東京電力パワーグリッド(東電PG)は、経済産業省・資源エネルギー庁が10月16日に開催した第48回系統ワーキンググループで、来年度の系統制約による再生可能エネルギー出力制御の短期見通しを公表した。

東電PGエリアでは2024年度、ノンファーム電源を対象として、次のような再エネ出力制御を行う見通しだ。154kV上越幹線(群馬県)で最大680kW、66kV玉諸線(山梨県)で最大830kW、合計で最大1,510kWの再エネ出力制御を行う可能性がある。両系統とも、太陽光発電と水力発電の接続が多いという特徴がある。

具体的には、154kV上越幹線の年間出力制御量は1,220kWh、出力制御時間は3時間、年間出力制御率は0.08%。66kV玉諸線の年間出力制御量は15,440kWh、出力制御時間は26時間、年間出力制御率は1.28%とされた。これらは一定の算定条件のもとで試算したもので、今後、変わることがあるという。

当面は「一律制御方式」
将来的には再給電方式に移行

出力制御の方法として、当面は、ノンファーム型接続システムである「一律制御方式」をとる。つまり、ノンファーム型で接続している再エネ発電所を対象に、一定比率で出力を抑制するということだ。ノンファーム型接続とは、実送電量に応じて空き容量が変化する柔軟な電気の送り方だ。(参考:「ノンファーム型接続」とは? 再エネ拡大のカギ握る送電ルール見直し|SOLAR JOURNAL

将来的には一定の順序に従った「再給電方式」で出力制御順に制御を行う予定だが、システム改修が間に合っていないことから、2024年4月1日以降、システム改修が完了するまでは、一律制御方式をとるという。

事前に3回混雑予想を通知
発電所ごとに計画値提出を求める

再エネ出力制御の実施にあたっては、ノンファーム型接続の発電所を対象に、発電所ごとに発電計画値の提出を求める。提出された計画値に対して、東電PGが事前に混雑予想を伝え、発電所はその通知をもとに、ノンファーム電源の制御量を把握し、必要に応じて発電計画を修正する。混雑予想は、翌日発電計画の提出後、実需給の5時間前、実需給の1時間前の合計3回通知するという。

そのため、対象エリアのFIT特例①②の低圧発電所に対しても、同社は今後、発電所ごとの発電計画値の提出を求めるとしている。また、今後、対象エリアのノンファーム発電所に向けて説明会などを実施する予定ということだ。

DATA

総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会 系統ワーキンググループ(第48回)


文:山下幸恵(office SOTO)

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