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オムロン、住宅用太陽光の自家消費でポイント還元。環境価値を“掘り起こし”

オムロン ソーシアルソリューションズは、住宅用太陽光発電の自家消費による環境価値を収集する代わりに、ユーザーにポイントを還元するサービスを開始した。これまで埋没していた環境価値を掘り起こし、企業の脱炭素経営に役立てる。

自家消費の電力量にポイント付与
環境価値はオムロンが収集・活用

オムロン ソーシアルソリューションズ(以下、『オムロン』)は6月29日、住宅用太陽光発電の自家消費による電力量を環境価値として収集・活用するサービス「みんなでつくるエコ活サークル」において、ポイント還元を開始したと発表した。

これによって、同サービスのユーザーは、付与されたポイントをPayPayポイントやAmazonギフト券など各種ポイントに交換できるようになった。

「みんなでつくるエコ活サークル」とは、オムロンが2022年1月より提供してきたサービスで、同社のマルチ蓄電プラットフォーム「KPBP-Aシリーズ」のハイブリッド蓄電システムを設置した住宅を対象としている。その仕組みは以下の通りだ。

(出典:オムロン ソーシアルソリューションズ)

まず、ユーザーの太陽光発電から生まれた環境価値をオムロンが譲り受け、ユーザーは、その対価としてポイントを受け取る。環境価値とは、再生可能エネルギーなどCO2を排出しない方法でつくられた電気に対して付与される価値のことだ。

続いて、オムロンは取得した環境価値を、国のJクレジット制度を活用してエコ活動に利用する。Jクレジット制度とは、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取り組みによる、CO2排出削減量・吸収量を「クレジット」として国が認証し、売買できるようにした制度のことだ。

脱炭素経営を目指す企業の間では、再生可能エネルギーに由来するJクレジットを購入することで、事業活動に伴う電気のCO2排出量を低減しようとする取り組みが活発化している。こうした背景から、オムロンが調達したJクレジットに対しても、一定のニーズがあると予想される。

埋没していた環境価値を“発掘”
自家消費のインセンティブ創出も

オムロン ソーシアルソリューションズによると、住宅用太陽光発電の自家消費による環境価値は、これまでその値打ちが見過ごされてきた「埋没価値」であるという。そのため、同社はこうした価値を掘り起こし、企業の脱炭素化のために役立てるとしている。

また、同社は、住宅用太陽光発電設備のユーザーに対して「太陽光発電の自家消費をすることは環境に優しい暮らしをすること」と実感してほしいという思いから、今回のサービスを開始したという。

ユーザーにとっては、太陽光発電の自家消費に取り組むことでポイントを獲得できるため、より積極的に自家消費を行うインセンティブが強化された形だ。同時に、電気料金が高騰する中、自家消費を増やすことによって電気料金を抑制する効果も期待される。

DATA

オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社 ニュースリリース


文:山下幸恵(office SOTO)

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