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ジンコソーラーはさらなる高みへ。N型モジュールに続き産業用蓄電池でも世界を席巻!

ジンコソーラーの太陽光モジュールは、2022年上半期の出荷量で世界No.1。売上を牽引するのは、N型TOPCon技術のフラッグシップモデル「Tiger Neo」だ。産業用蓄電池を含む全方位的な分散型エネルギーソリューション戦略について、ジンコソーラージャパンの孫威威社長に聞いた。

N型モジュールの圧倒的な発電量
LCOEの低減に大きく貢献

太陽光モジュールのトップメーカー、ジンコソーラー。2022年上半期のグローバルでの太陽光モジュール出荷量で首位に咲き誇った。中でも、P型に代わり世界の主流になりつつあるN型モジュールでは、ジンコソーラーの主力製品「Tiger Neo」シリーズの出荷量が突出している。ジンコソーラー全体の2022年の出荷量40GWのうち、N型モジュールは25%の約10GWにのぼる見通しだ。ジンコソーラージャパンの孫威威社長は「来年も引き続き、N型TOPCon技術のTiger Neoシリーズが伸び、日本市場においても5〜6割に達するとみています」と予想する。

N型TOPCon技術の魅力の1つは変換効率の高さだ。Tiger Neoシリーズの変換効率は平均24.8%を超え、最新の実験ベースでは最高変換効率が25.7%に到達した。これによって、発電量は従来のP型モジュールより3〜4%ほどアップし、LCOE(均等化発電原価)を大きく引き下げると期待される。さらに、Tiger Neoシリーズの両面モジュールは裏面の発電量が表面の85%と、より多くの発電量を得ることができるため、LCOEの低減効果はさらに高まる。初年度の劣化率は1%以下で、Tiger Neoシリーズのリニア出力保証期間である30年が経過した後も87.4%の出力を維持できるという。

全方位の分散型ソリューション
日本でも「産業用蓄電池」解禁へ

ジンコソーラーは今年7月、分散型エネルギーに関するソリューションを強化するため、新たに「1+2+3+N」という戦略を打ち出した。「1」は太陽光モジュール、「2」は蓄電池、「3」は金融サービス、そして「N」はN型TOPCon技術を意味するという。全方位で分散型エネルギーソリューションに注力していくという意味合いが込められている。

日本ではこれまで、ジンコソーラーは太陽光モジュールのトップメーカーとして知られてきた。昨年、家庭用蓄電池SUNTANKがリリースされた際、大きな話題を読んだことは記憶に新しい。孫氏は「ジンコソーラーの家庭用蓄電池SUNTANKは、JET認証やECHONET Lite規格など、必要な認証制度の取得も完了しています。太陽光モジュールとセットでワンストップの分散型エネルギーソリューションを推進していきます」と力を込める。

10月5日に開催されたウェビナーでは、日本でも今後、産業用蓄電池事業の強化を図る考えが示された。ジンコソーラーの産業用蓄電池事業は海外で先行しており、すでに“蓄電所”クラスの大容量蓄電池や太陽光発電の電気をそのまま充電できるDC(直流)リンクのタイプもラインナップしている。今年7月には、20MWhのリチウムイオン蓄電池が中国浙江省の夏季の電力使用制限対策として導入された。国内では、系統蓄電池という新制度の整備が進みつつある。新たな大型蓄電池のマーケットにおいても、ジンコソーラーのさらなる躍進が予想される。

DATA

ジンコソーラー日本社長
孫 威威 氏


ジンコソーラージャパン株式会社
東京都中央区京橋2丁目2番1号 京橋エドグラン9階
TEL:03-6262-6009


取材・文:山下幸恵(office SOTO)

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