銅線ケーブルの盗難を未然に防ぐ、ファーウェイの自立給電無線監視ソリューション
2024/08/30
急増するケーブル盗難への対抗策として、ファーウェイが新たな監視ソリューションを発表した。AIカメラと太陽光蓄電システム、無線通信がセットになったオールインワンパッケージだ。
激増するケーブル盗難
求められる監視システムとは
銅価格の高騰を背景に、太陽光発電所のケーブル盗難が全国的に増加し続けている。太陽光発電協会によると、これまでの被害は、主に中・大規模設備が中心だったが、最近では小規模設備にまで拡大しているという。同協会では、監視カメラの設置などセキュリティーシステムの強化を呼びかけるが、対策がまるで追いついていないのが現状だ。
盗難防止用の監視カメラには、録画機能はもちろん、侵入者を威嚇する機能や、管理センターと連携をとるための通信機能など様々な能力が求められる。加えて、太陽光発電所においては、通信配線の敷設、監視システムを動かすための電源をどうするかといった課題もあり、最適なシステムを構築するのは難しかった。
配線いらずの簡単設置!
太陽光と通信もセットに
こうした状況を受けて、ファーウェイは、オールインワンタイプの「自立給電無線監視ソリューション」の提供を開始した。この監視ソリューションは、侵入者に光や音で警告を与え盗難を未然に防ぐAI監視カメラ(監視部)と、無線通信システム(通信部)、そして太陽光パネルとリチウムイオン蓄電池等を組み合わせた給電システム(給電部)によって構成されている。それらすべての機器が、1つのポールに組み付けられており、別途電源を設置する必要もなく、通信配線も不要なので、設備の大小を問わず容易に導入することができる。
とはいえ、既存設備から給電できるケースや、すでに有線通信環境が整っている設備もあるだろう。そうした場合には、監視部と通信部のみ、あるいは監視部と給電部のみというように、必要な要素だけを組み合わせて導入することも可能だ。もちろん、完全自立型の監視リューションなので、発電所自体の設備機器はどこのメーカーのものであっても構わない。
ファーウェイのノウハウと
最先端のAIカメラが融合
ファーウェイがこうしたソリューションを提供できた背景には、パワコンや蓄電池をとおして太陽光発電所を熟知しているとともに、通信機器メーカーとして多年にわたり磨いてきたノウハウがある。例えば、自立給電の仕組みは、携帯電話基地局での豊富な運用実績に裏打ちされたものだ。
太陽光発電所向け監視ソリューションの給電部は、合計1070Wの太陽光パネルと電源モジュール、蓄電池2台定格放電電力合計約6000Wからなる。晴れの日なら約6時間でフル充電することができ、それだけで1週間は運用可能になるという。
通信部はまさにファーウェイのお家芸ともいうべきもので、同ソリューションにおいては、メッシュWi-Fiにより最大40kmの通信距離を実現する。これだけのポテンシャルがあれば、国内のどんなに広い発電所であっても余裕で対応することができるだろう。
監視部については、世界有数の防犯カメラメーカーであるシンガポールのHolowits社と提携。侵入検知、ターゲット分析、人数カウント、不審者への各種警告などを行える同社の最新AIカメラを採用する。このカメラが異常を検知すると、通信部を介してリアルタイムに、管理センターあるいは警備会社にアラートが送られることになる。
盗難ゼロの実証結果を踏まえ
発電所の課題解決に挑む
同ソリューションの日本展開にあたっては、構成機器を日本仕様に最適化すると同時に、盗難被害が多発していた茨城県のメガソーラーなどで実証実験を行ってきた。その良好な結果と現場の声を受けて、いよいよ本年度より一般販売を開始した。ファーウェイジャパン法人ビジネス事業本部の張穎慧本部長は次のように述べている。
「PV業界にとって、盗難対策は喫緊の課題です。各国基地局での長期運用実績に裏打ちされた本ソリューションで、ぜひ大切な資産を守ってください。弊社はこれまでパワコンや蓄電池で業界の発展に尽力してきましたが、これからはより幅広く、お客様の課題解決に貢献してまいります」(張氏)
PROFILE
華為技術日本株式会社
法人ビジネス事業本部
マーケティング&ソリューションセールス本部 本部長
張 穎慧氏
問い合わせ
華為技術日本株式会社/ファーウェイ・ジャパン
東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエアウエストタワー12F
TEL:03-6266-8051
メールアドレス:optical.jp@huawei.com
取材・文:廣町公則
SOLAR JOURNAL vol.50(2024年夏号)より転載
Sponsored by 華為技術日本株式会社/ファーウェイ・ジャパン