HUAWEI 新型蓄電システム、3機種を一挙公開 産業用・住宅用ともに「安全性」を徹底追求
2025/02/27
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ファーウェイは、第23回スマートエネルギーWeek(2025年2月19日~21日/東京ビックサイト)において、最新の産業用蓄電システム2機種と、人気シリーズをさらに進化させた新型住宅用蓄電システムを披露した。日本での普及が待たれる新製品の特長をひも解く。
世界初、蓄電池の安全評価で
TÜV「Prime」を取得
ファーウェイの蓄電システムが、また一歩進化した。産業用・住宅用それぞれに新製品を発表し、大きな注目を集めている。高効率な冷却システムを実装した中規模産業用「LUNA2000-215-2S11」、エネルギー密度が高まり、専有面積が小さくなった大規模産業用「LUNA2000-4472-2S」、蓄電容量がアップし、施工性も向上した住宅用「LUNA2000-7/14/21-NHS1」の3製品だ。
これらファーウェイ製蓄電システムには、共通する大きな特長がある。それは、安全性と品質への圧倒的なこだわりだ。LUNA2000S1シリーズは昨年12月、国際的な第三者検査・認証機関であるTÜV(ドイツ)との安全性試験を完了し、蓄電システムの安全分野における世界初の「Prime」レベル認証をも取得した。
また、産業用蓄電システムにおけるファーウェイのエネルギー貯蔵プラットフォームは、昨年9月に、TÜVの「All Quality Matters」イノベーションアワードも受賞している。これは安全性に加え、アーキテクチャ、グリッド形成、インテリジェントな診断と故障警告技術など、品質全般が高く評価された結果だ。
TÜVより世界初となる最高レベルの蓄電システム安全認証を取得。
中規模産業用
ハイブリッド冷却蓄電システム
各蓄電システムの特長を具体的に見てみよう。まず、中規模産業用「LUNA2000-215-2S11」は、独自の冷却方式を組み入れた新タイプとなっており、ファーウェイではこれを「ハイブリッド冷却蓄電システム」と呼ぶ。ハイブリッド冷却は、環境温度の違いにより、水冷と空冷とPCS廃熱を最適に利用する仕組み。温度が高い時は、水冷ユニットと空冷モジュールが同時に働き、セルの急速冷却を可能にする。常温時は自然空冷、低温時はPCS廃熱を活用し、極めて低い消費電力を実現する。インテリジェントな自動切り替えにより、トータルでみると消費電力を30%以上削減することができるという。
安全に関しては、セルから運用局面まで、幅広い総合安全性が追求されている。デバイスとクラウドの融合により、13項目以上の異常を検出し、セル障害の早期警告を実現するとともに、msレベルのセル短絡遮断、電池パックの6面絶縁化などにより、内部短絡の拡散を未然に防ぐ。さらに、電池パック内への酸素の進入を阻止することで、パック内部の火災を防ぎ、万一の場合にも、独自の指向性排煙技術により、パック内の可燃性ガスを排出し、キャビネット内の爆発を防止する。また、上部に開放弁が設けられているので、周囲に被害が及ぶこともない。
もちろん、蓄電池としての基本性能はハイレベルだ。電池パックごとのBMU搭載により充電率のばらつきが抑えられ、つねに安定した出力を発揮。電池パックレベルの最適化とスマート液冷により、より多くのエネルギーを運用することができる。
中規模産業用蓄電システム
LUNA2000-215-2S11
大規模産業用
系統用蓄電池にも最適
大規模産業用「LUNA2000-4472-2S」は、社会インフラとして、より信頼性の高い電力システムを構築すべく開発された。それは、電力の平準化コストを低減し、再生可能エネルギーの市場統合を後押しするものとなる。同製品においても、第一に考えられているのは安全性だ。セル・電池パック・コンテナ等に加えて、系統に至るまでのすべての点において、最高レベルの安全性が備わっている。
電力システムの安定性と信頼性の確保に向けても、様々な機能が装備されている。例えば、系統事故や電源脱落などで電圧や周波数が変動した場合でも、DCDCとDCACモジュールが統合された独自のデュアル構成PCSにより、安定した稼働と出力が確保される。電圧と周波数の変化に迅速に対応することで、系統の変動を効果的に抑制することができ、需給調整市場の一次調整力要件も満たすことができる。
なお、ファーウェイの大規模産業用蓄電システムは、世界初となる100%再エネによるマイクログリッド「ザ・レッドシー・デスティネーション」(サウジアラビア)への実装に成功したほか、日本で初めてのFIP転を活用した特高蓄電所にも導入されている。
大規模産業用蓄電システム
LUNA2000-4472-2S
住宅用
安全性も施工性も進化
住宅用「LUNA2000-7/14/21-NHS1」は、日本でも大人気となっているスマートストリング蓄電池シリーズの新バージョン。従来機種が1台5kWhの電池パックをベースにしていたのに対し、新機種では1台7kWhの電池パックがベースとなる。この電池パックを縦に連結することで、7kWh、14kWh、21kWhと最適な蓄電容量のシステムを組むことができる。
従来機種同様に、利用シーンの変化に合わせて、後から増設することも可能だ。なお、従来機種では電池パックの接続にケーブルが必要だったが、新機種ではケーブルレス接続を実現するなど施工性も向上している。この住宅用蓄電システムにおいても、安全性は最優先事項とされており、緊急用の消火モジュールを採用するなど独自性が光る。消火モジュールは190℃前後の高温で作動し、消化ガスを噴出することで、もしもの火災も瞬時に鎮火する。
また、スマートパワーコンディショナには、火災の原因となる直流アークの発生を検出・遮断するAFCI機能を搭載。0・5秒以内に自動的に回路を遮断し、その影響を最小限に止めることを可能としている。さらに、パネル火災にも効果的なオプティマイザを用意するなど、総合的な安全対策が講じられている。
住宅用蓄電システム
LUNA2000-7/14/21-NHS1
問い合わせ
華為技術日本株式会社/ファーウェイ・ジャパン
東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエアウエストタワー12F
TEL:03-6266-8051
取材・文:廣町公則
SOLAR EXPO(2025年冬号)より転載
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