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Sigenergyのハイブリッドパワコンを活用した、高過積載と蓄電池システムの新スキーム

過積載と蓄電池システムを組み合わせることで、売電収益や自家消費率の向上を目指す。Sigenergy(シグエナジー)が提案する新たな太陽光発電のビジネススキームに迫る。高圧・低圧の各ケースを解説する!

 

<目次>
1.蓄電池のDCリンクと低圧三相PCSで収益性をアップ
2.監視システムを標準搭載 PPAにも役立つ新たなスキーム

 

蓄電池のDCリンクと
低圧三相PCSで収益性をアップ

50kW未満の太陽光発電の低圧連系は、初期コスト・ランニングコストを抑え、比較的スピーディに導入できるメリットがある。太陽光発電・蓄電池システム分野に特化したエネルギーソリューション企業であるシグエナジーは、低圧三相のパワーコンディショナ(PCS)を新たにラインアップした。

シグエナジーの低圧三相のPCSは、太陽光発電に蓄電池システムを併設することを想定したハイブリッドタイプだ。従来、太陽光発電と蓄電池システムのそれぞれにPCSが必要だったが、ハイブリッドタイプはこれを1台で対応できる。太陽光発電の直流の電気をそのまま蓄電池に貯めることができるため、変換によるロスを抑えられる。


シグエナジーの低圧系統連系ソリューションのスキーム。(提供:シグエナジー)

低圧連系のスキームは上図の通りだ。蓄電池システムを太陽光発電側に接続する「DC(直流)リンク」を実現できることが、収益アップのポイントになる。シグエナジーの蓄電池システムは1台あたり12.06kWhで、最大21台(合計253kWh)まで並列できる。接続の方式をDCリンクにすることで、PCSの容量を蓄電池システムに貯められる。それを電力卸市場の価格が高い夕方などに放電することで、売電収益の向上が期待できる。

また、系統連系の技術要件として求められる「フリッカ対策STEP3.2」にも対応している。フリッカとは、電力系統の電圧が繰り返し変化することで、照明のチラつきなどを引き起こすことである。近年、太陽光発電などの分散型電源の導入が増加していることから、電力系統の安定化のため、2023年からPCSへのフリッカ対策が標準化されている。

日本・韓国支社長の趙宏碧氏は、「日本では、低圧連系に一定のニーズがあります。当社の低圧三相のハイブリッドPCSは、システム価格や施工コストをリーズナブルに設定しています。今年5月から受注開始し、こうしたニーズに答えたいと考えています」と力を込める。

低圧連系ソリューションのメリットは・・・・
低圧連系ソリューションのメリットは、過積載とDCリンクによって収益性を高められることです。当社のデータを使ったシミュレーションでは、これによって、出力を3〜5%向上できると試算しています。

■2025年5月受注開始

低圧三相PCSは、最大2台まで直列で接続でき、400kWまでの過積載に対応する。全国の一般送配電事業者の出力制御指示を受けることができる
 


 

監視システムを標準搭載
PPAにも役立つ新たなスキーム

その一方で、シグエナジーは自家消費をはじめとする高圧連系の提案も強化している。高圧向けには100kWのハイブリッドPCSをラインアップしている。DCリンクが可能であることはもちろん、軽量でコンパクトであることもシグエナジーのPCSの大きな特長だ。設置スペースが限られる屋上などでも、設計の自由度を確保することができる。

さらに、高圧・低圧のハイブリッドPCSに共通する特長が、常時監視ができるエネルギーマネジメントシステムが標準搭載されている点だ。別途のデータロガーなどを必要とせず、任意のPCSをホストとして設定できる。そのため、監視システムにかかる初期コストや運用・保守(O&M)のランニングコストを低く抑えることが可能になっている。

趙氏は、過積載と蓄電池システムを組み合わせたDCリンクのソリューションの可能性について、「FIP制度を活用した売電事業に加えて、電力購入契約(PPA)でも有効なスキームだと考えています。再エネによる電気をより多く利用したいと考えている需要家にとって、太陽光発電が発電しない時間帯の電気をどのように再エネに切り替えるかが大きな課題になっています。太陽光発電の電気を蓄電池システムに貯め、夜間や雨天に活用することで、再エネの電気の利用率を高め、脱炭素に貢献できると考えています」と力強く語る。


シグエナジーの自家消費ソリューションのスキーム。(提供:シグエナジー)

 


 

PROFILE

Sigenergy 日本・韓国支社長

趙 宏碧 氏

問い合わせ


Sigenergy Japan株式会社
東京都中央区入船1丁目9番8号 1階
TEL:090-3060-1666
Mail:info@sigenergy.com


取材・文:山下幸恵(office SOTO)

SOLAR JOURNAL 蓄電池特集号より転載

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