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【GoodWe】大電流対応パワコンの採用で過電流からの保護と発電量のアップを実現

GoodWeは、落雷によって破損した太陽光発電所を復旧させるだけでなく、リパワリングによって発電量を向上させることに成功した。発電所のオーナーとGoodWeの設計責任者が、成功の秘けつについて対談した。

メイン画像:落雷の被害から復旧し、リパワリングした中久木氏の発電所(写真提供 GoodWe)

 

<目次>
1.落雷でパネルとPCSを全数交換 大電流への対応が課題に
2.広いラインナップで顧客ニーズに応える

 

落雷でパネルとPCSを全数交換
大電流への対応が課題に


発電所オーナーとGoodWeエンジニアマネージャーが対談
中国蘇州市のGoodWe本社で対談したユウ氏(左)中久木氏(右)

ガレージ力パワークリエイトは、三重県を中心に、8ヶ所の太陽光発電所を保有・運営している。2023年夏、そのうちの1ヶ所が落雷の影響を受けて、パネルとパワーコンディショナ(PCS)のほとんどが破損した。被害の程度やリパワリングに至った経緯について、代表取締役の中久木力氏は次のように話す。


合同会社ガレージ力パワークリエイト 代表取締役社長 中久木力 氏

中久木氏 発電所の容量は1MWで、もともとは50kWのPCSを20台設置していました。しかし、発電所の近隣に落ちた雷の影響によって大電流が流れ、PCSのほとんどが損壊し、パネルも半数以上が使えない状態になりました。事故後、PCSのカバーを開けると内部が焦げていて、それを見た瞬間、「どうしたらよいのか」と頭を抱えました。パネルの発電状況を確認するためドローンを使って調査を行いましたが、日光が当たっても発電していませんでした。

落雷があったのは、23年夏のことです。この発電所は20年3月から運転を開始したので、実際に発電による収入が得られたのは3年あまりでした。運転開始から間もないため、リパワリングを予定していませんでした。パネルとPCSの全数交換は、まったくの想定外だったのです。

リパワリングでは頻繁に起こるケースですが、現在のパネルは、以前のものと比べてサイズアップし、電流も大きくなっています。正直にいうと、現在の市場には、大電流のパネルに対応できるPCSのラインナップが多くありません。また、一般送配電事業者からの出力制御の指示にオンラインで対応できることも、必須の要件です。こうした条件をすべて満たすことができるPCSメーカーとして、GoodWeを選びました。
 


 

広いラインナップで
顧客ニーズに応える


中久木氏の発電所のリパワリングには、GoodWeの三相PCS「SMTシリーズ(定格出力電力50kW)」が採用された。落雷による被害を受けた発電所をリパワリングするにあたって、GoodWeソリューションエンジニアマネージャーのシンディー・ユウ氏は、設計において次のような工夫をしたと説明する。


GoodWe ソリューションエンジニアマネージャー シンディー・ユウ 氏

ユウ氏 まず、大電流への対応を優先したシステムを構築しました。SMT50は過電流への耐性が高く、ストリングのアーク放電や絶縁の低下を検出する機能をオプションで付帯でき、安全性に配慮しています。次に、パネルには、電極を裏面に集約したバックコンタクトタイプを選びました。バックコンタクトタイプのパネルは発電量が多く、SMT50はバックコンタクトタイプと極めて相性が良いという特長を持っています。また、SMT50は最大動作電流が32Aと高く、高出力のパネルに対応しています。

さらに、系統連系の技術要件として、低圧のPCSに求められる「フリッカ対策STEP3.2」にも対応するよう、ソフトウェアをアップデートしました。フリッカとは電力系統の電圧が繰り返し変化することで、照明のチラつきなどを引き起こします。電力系統の安定化のため、日本では、23年からPCSへのフリッカ対策を標準化しています。中久木さんの発電所は高圧だったため、本来、フリッカ対策は義務付けられていないのですが、SMT50を導入する国内初の事例ということで、対策を施すことに同意していただきました。PCSをフリッカ対策のSTEP3.2に対応させるにあたっては、当社のエンジニアが現地に赴いてソフトウェアをアップデートしました。現場ですぐに対応できるため、低圧の発電所を含めた今後のニーズにも応えられると自負しています。

中久木氏 GoodWeのSMT50は、大容量のパネルに対応でき、PCSそのもののサイズがコンパクトです。リパワリングで発電所のレイアウトを見直す際にも最適だと感じました。何より手応えを感じているのは、バックコンタクトタイプのパネルと組み合わせた際の入力電流値の関係で、他社製のパワコンでは25台必要だったところ、GoodWe製では20台で済んだ点です。さらに、動作も非常に安定しており、リパワリング前と比べて年間発電量が約15%増加しました。リパワリングによる改善効果には大変満足しています。

GoodWeは、大規模な野立て太陽光発電所に適したPCS「GT125」もラインナップし、リパワリングや自家消費、PPAといった多様なニーズに応えていく。
 


 

問い合わせ


GoodWe Japan株式会社
〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町8-6 H1O日本橋小舟町6F
TEL:03-6231-1232


取材・文:山下幸恵(office SOTO)
写真:徐柯

SOLAR JOURNAL vol.54(2025年夏号)より転載

Sponsored by GoodWe Japan株式会社

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