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JIS規格化で転換点を迎える太陽光の安全対策、HUAWEIのAI活用「AFCI」で火災リスク低減

屋根上の太陽光がもたらす持続可能な未来。その一方で、増加する火災リスクへの対応が喫緊の課題となっている。JIS規格化によりAFCI(アーク検出遮断器)の実装が求められるなか、AIを活用したAFCIで業界をリードするファーウェイ製パワーコンディショナーに、いま改めて注目が集まっている。

<目次>
1.屋根設置太陽光の普及と高まる火災リスク
2.JIS規格化でAFCI(アーク検出遮断器)が必須に
3.AIを活用したAFCI搭載パワーコンディショナーで業界をリード
4.屋根設置太陽光の安全を支える豊富なラインナップ

屋根設置太陽光の普及と高まる火災リスク

再エネ需要の拡大と電気料金の高止まりを背景に、屋根上の太陽光発電システムが、いま改めて注目を集めている。国も、屋根設置太陽光に初期投資支援スキームを設けるなど、導入の加速化を目指している。東京都をはじめとする自治体では、設置義務化の動きも拡がっている。

しかし、この普及拡大の裏側で、太陽光発電に起因する火災事故が増加傾向にあり、そのリスクに対する社会的関心が高まっている。実際、日本国内で発生した太陽光発電の火災事故は、2009年から2024年1月までに約347件に上る(消費者庁の事故情報データバンクシステムに登録された件数)。

火災事故の主要な原因の1つが、直流回路に生じる「直流アーク放電」である。電気配線の劣化や接続不良に起因するこのアーク放電は、電極間に持続的な絶縁破壊を引き起こし、その温度は3,000℃を超える高温に達する。アークが周囲の可燃物、特に屋根上のほこりや枯葉などに引火した場合、容易に火災へと発展する危険性をはらんでいる。

特に、住宅や商業施設、工場などの屋根上に設置された太陽光発電システムの場合、火災による被害は甚大なものとなりやすい。また、日射がある限りパネルは発電を続けるため、消防活動においても感電リスクが伴い、安全確保が喫緊の課題となっている。アーク放電を未然に防ぐ技術の導入は、持続可能なエネルギー社会を実現するために欠かせないものなのだ。

JIS規格化でAFCI(アーク検出遮断器)が必須に

とはいえ、これまで日本国内では、太陽光発電システムにおける直流アークに関する詳細な技術規格が定められていなかった。この状況に対し、グローバルな議論と技術的進展を受け、国際規格であるIEC 63027:2023を基礎とした日本産業規格(JIS)化が図られることとなった。

それが、11月20日に公示となったJIS C 63027(太陽光発電システムにおける直流アーク検出および遮断)だ。このJIS規格には、「直流アークの検出および遮断」に関する技術要件・試験条件・評価手法等を定められており、実質的に、太陽光発電システムへのAFCI(アーク検出遮断器)の実装を求めるものとなっている。

AFCI (Arc Fault Circuit Interrupter、アーク検出遮断器)とは、異常な直流アーク放電を検出し、火災が発生する前に回路を遮断する保護装置のことだ。一般に、パワーコンディショナーに組み込まれる機能となる。AFCIは、直流アークがもつ特有の電気的パターンを常時監視し、アーク発生を検知した際に直流回路を切り離すことで火災を防ぐ。

AFCI機能の導入は、システムや建物を火災から守るだけでなく、火災発生時に現場で活動する消防士や作業従事者の感電リスクを大幅に低減する役割も担う。それは、太陽光発電の普及を支える“命綱”ともいうべき安全技術だ。

AIを活用したAFCI搭載パワーコンディショナーで業界をリード

ファーウェイは、太陽光発電システムにおける安全性の重要性を早くから認識し、国際規格が制定されるよりも前からAFCI技術の研究開発に取り組んできた。日本市場だけを見ても、2021年には家庭用蓄電システムに対応したハイブリッド型パワーコンディショナーにおいてAFCIの実装を果たしている。さらに同年春には、産業用パワーコンディショナーにもAFCI機能を搭載した製品を発表している。

そして、このAFCIを備えたファーウェイのパワーコンディショナーは、発売以来、圧倒的な安全実績を誇っており、いまやファーウェイ製品を語るうえで外すことのできない特長となっている。

その上、ファーウェイのAFCIには、他にはない大きな優位性がある。それは、従来のAFCIには見られなかった高度なAI技術が用いられているという点だ。単なるAFCI機能ではなく、機械学習によるアルゴリズムを搭載した高精度アーク放電検出システムであり、アーク波形の特徴を自動的に学習・最適化することで、検出精度と信頼性の両立を実現している。

具体的には、大量の試験から得たアーク故障データを収集し、収集したビッグデータを用いて自己学習型アーク故障検出モデルを継続的に学習する。そして、多様なアーク故障検出モデルをファームウェアに組み込んで定期的に更新する。常にアップデートされるAFCIが、ニューラルネットワーク技術を応用してアーク故障を数百ミリ秒で正確に検出し、瞬時に遮断してくれるのだ。

ファーウェイならではのAI活用型 AFCIの強みは、次の6項目に整理することができる。

1)AI の学習機能を活用し、アーク発生時のパターンをデータベースに蓄積
グローバルな製品展開を背景に、ファーウェイは世界30カ国以上の試験サイトで数万回規模のアーク再現試験を実施している。極寒・酷暑・高標高など、多様な気候・環境下で発生した大量の試験データや故障データを継続的に収集し、AIの学習データベースに蓄積。この膨大な実データが、アーク故障検出モデルの精度を高める基盤となっている。

2)蓄積されたデータをもとにアーク発生パターンを分析し、高精度で検出
蓄積されたビッグデータを基に、AIがアーク放電の特有パターンを正確に分析・学習する。これにより、ノイズとアークを高い精度で識別することを可能とした。

3)アーク検出後、 0.5 秒以内に直流アークを瞬時に遮断し、安全性を確保
AIによる高精度検出と同時に、ファーウェイのAFCIは圧倒的な遮断速度を実現している。アークを検出してから0.5秒以内に直流アークを遮断し、火災のリスクを最小限に抑える。これは、国際的なUL規格が求める2秒以内という要件を大幅に上回り、エネルギー放出量も500J未満(UL規格要求750J未満)に抑制する。

4) PCS 内外のノイズ干渉を抑制し、誤検出および検出漏れを防止
AI学習により、PCS内部および外部の様々なノイズ環境を認識し、その干渉を抑制する。これにより、一般的に課題とされる誤検出(誤作動)や、ノイズに紛れてアークを見逃してしまう検出漏れを防止し、検出の正確度100%(第三者認証機関TÜV SÜD)という高い信頼性を実現した。このAI学習モデルは、ファームウェアの更新を通じて継続的にアップデートされ、常に最新・最高の精度を維持する。

5)管理システムの導入により運用状況を可視化し、人的コストを削減
ファーウェイの管理システム(FusionSolar)と連携することで、アーク故障が発生した場合、その発生箇所をストリング単位で特定し、画面上に表示する。これにより、現場での故障特定作業にかかる手間と時間を大幅に削減し、人的コストの削減に貢献。早期の故障修復を可能にし、発電損失を最小限に抑えることにもつながる。

6)高速シャットダウン機能とAFCI機能の両立し、高い信頼を獲得
ファーウェイ製品は、パワーコンディショナーに内蔵されたAFCI機能だけでなく、太陽光パネルに搭載されるオプティマイザーの高速シャットダウン機能(Rapid Shutdown/RSD)とも連携する。AFCIが直流アーク放電を検出・遮断する機能であるのに対し、RSD機能は、太陽光パネルの直流電圧を120V未満、30秒以内に30V未満へ低減する。火災発生時の延焼リスクや、消防士・作業従事者の感電リスクをさらに低減させる。パワーコンディショナーによるアーク検出・遮断と、オプティマイザーによる低電圧化を組み合わせることで、システム全体で極めて高い安全性を確保することができるのだ。

屋根設置太陽光の安全を支える豊富なラインナップ

火災リスクが高く、安全対策が特に強く求められる屋根設置太陽光向けパワーコンディショナー。ファーウェイではAFCI搭載製品を幅広くラインナップしているので、どんな規模・用途の屋根設置太陽光に対しても、最適なパワーコンディショナーを見つけることができるだろう。

太陽光発電による火災を起こした事業者は、社会への加害者と見なされる時代だ。AFCI搭載パワーコンディショナーを採用することは、それぞれの事業者の火災リスクを低減するだけでなく、事業者が負うべき社会的責任を果たすための選択なのだ。

ファーウェイ・ジャパン デジタルパワー事業部シニアプロダクトマネージャーの新井龍人氏は、こう話す。

「太陽光をはじめとする電気の世界では“安全”はすべてにおいて優先されます。日本の電気事業法や電気設備技術基準でも、人命や財産の保護が最上位に位置づけられています。
ファーウェイも “強電安全” の原則のもと、IECやULなどの国際規格に準拠した世界基準の安全設計を徹底してきました。安全は“高品質”を支える基盤であり、同時に“高信頼性”を実現するための前提条件でもあります。AFCIは、まさに“高安全性”という設計思想を体現する代表的な技術の一つです。私たちはトータルな電気安全対策を通じて、お客様の安心を守り、社会からの信頼に応える企業であり続けます。」

屋根設置太陽光のさらなる導入拡大が求められるいま、火災リスクへの対応は、もはや“任意”ではなく“必須”の要件だ。JIS規格化によりAFCIの重要性が高まるなか、AIを活用したAFCI機能を備えるファーウェイのパワーコンディショナーは、太陽光発電への信頼性を高めていくという観点からも不可欠なパートナーになっていくに違いない。

問い合わせ


華為技術日本株式会社/ファーウェイ・ジャパン
東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエアウエストタワー12F
TEL:03-6266-8051


取材・文:廣町公則

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