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パイロンテック、日本市場で「表舞台」へ。系統用蓄電池を自社ブランドで本格展開

世界の蓄電池市場で高い評価を誇るPylon Technologies(通称:パイロンテック)が、日本法人の設立とともに自社ブランドでの本格展開を開始した。同社は、日本市場をどう捉え、どのような技術・製品で日本の課題を解決しようとしているのか。日本法人のゼネラルマネージャー張林峰氏に聞いた。

メイン画像:パイロンテックの蓄電池セル工場(中国・揚州)

 

<目次>
1.定置型蓄電池の専業メーカー 川上から川下まで一気通貫
2.日本市場に寄り添う裏方から「主役」への転換
3.中規模/大規模の2本柱で系統用蓄電池市場に旋風
4.国内アグリゲーターと連携し日本の電力市場に最適化

 

定置型蓄電池の専業メーカー
川上から川下まで一気通貫

パイロンテックの最大の特徴は、設立以来16年以上にわたり「定置型蓄電池」一筋で歩んできた点にある。現在、世界の蓄電池メーカーは、電気自動車向けから参入した企業と、電子機器メーカーを母体とする企業の2種類に大別されるが、同社はそのどちらとも異なる。創業時から住宅用および産業用の定置型蓄電池に特化し、発展を遂げてきた。しかも、材料開発からセル製造、システム構築までを社内で行う、製造チェーンの垂直統合を実現している。

この専門性と全工程の内製化が、製品の信頼性と国際的評価に直結している。2022年には住宅用蓄電池出荷量で世界No1を記録。産業用蓄電池においても揺るぎない実績を誇る。現在、同社は世界90以上の国と地域に製品を供給しており、海外事業比率は9割を超え、2025年1〜9月期の出荷量は約2.4GWhに達した。純資産は約1800億円、現金準備1200億円以上と財務基盤も盤石だ。

パイロンテックが受賞した国際アワードの数々

 


 

日本市場に寄り添う裏方から
「主役」への転換

2025年に日本法人を設立した同社だが、2013年には既に日本での製品検証を行うなど、我が国との関わりは深く長い。大手蓄電池メーカーへのセル供給や、商社経由でのモジュール販売など、長年にわたり日本企業のパートナー(OEM/ODM供給元)として貢献してきた。

「日本の厳しい品質要求に応えるため、生産ラインには数十億単位の投資を行い、世界最高水準の品質管理を徹底してきました」と張氏は語る。

日本法人を立ち上げ、満を持して自社ブランドでの本格展開に踏み切った背景には、日本市場の変化があるという。再エネ導入拡大に伴う調整力不足に加え、昨今ではAIデータセンターの急増による電力需要の高まり、さらには送配電網の老朽化といった課題も顕在化していると指摘する。パイロンテックは、これら日本の脆弱な電力系統を補完し、安定的なエネルギーインフラを構築するための「長期的なパートナー」となることを目指している。

中規模/大規模の2本柱で
系統用蓄電池市場に旋風

パイロンテックは、住宅用から系統用まで幅広い定置型蓄電池のラインナップを有している。そんな中から、同社が今年、日本市場で強力にプッシュするのが、次に紹介する系統用の2製品だ。

1つは、定格容量417kWhの中規模蓄電池「OPTIM US L417-BAT」である。幅1300mm×奥行1300mm×高さ2410mmというコンパクトな筐体に、優れた蓄電性能と高い安全性を凝縮。限られた空きスペースへの設置やメンテナンス、消防法への適合も容易なものとなっている。

張氏は「日本は山地が多く、搬入路が狭いケースもよくあります。本製品は中型トラックでの輸送が可能で、フォークリフトでの積み下ろしができるため、工事期間の大幅な短縮にもつながります」と、その利便性を強調する。また、自然環境への耐性が高く、多湿・強風・塩害・直射日光の条件下でも内部の機器を保護し、環境変化の影響を最小限に抑えられるという。 

もう1つが、定格容量5016kWhの大規模蓄電池「CONTAINER L5000-BAT」だ。最新の高性能セルを採用し、1500Vの高電圧に対応。独自のローカルEMSを搭載し、最高レベルの効率を実現している。

他社製品の多くが外部のEMSに依存する中、自社開発のシステムを用いることで、セルからシステム全体までの一貫した制御が可能となり、系統用蓄電池としての運用効率を極限まで高めているのだという。

また、両製品とも冷却システムには水冷式を採用しており、騒音も少なく、周囲への影響を最小化する工夫が凝らされている。

中規模/大規模の2本柱で産業用・系統用のニーズに応える


 


 

国内アグリゲーターと連携し
日本の電力市場に最適化


低温環境での設置・確認作業の様子。厳しい条件下でも短工期で据え付け可能であり、産業用・系統用の双方で採用が拡大している。

パイロンテックは、複数のアグリゲーターと緊密に連携し、需給調整市場や容量市場など、日本の電力市場のルールに適したシステム構築を加速させている。同社製品の存在は、今後、日本のエネルギー自給率向上と系統安定化に向けた強力な処方箋となるだろう。

パイロンテックの企業理念は「Liberating Your Energy Sustainably」。人々が、場所や時間に縛られず、エネルギーを自由に使える持続可能な社会を目指す。パイロンテックの日本での挑戦は、まだ始まったばかりだ。

問い合わせ

Pylon Technologies Japan 株式会社
東京都品川区東品川2-5-8 天王洲パークサイドビル11階2
Tel:03-6260-2701

SMART GRID EXPOに出展!
ブース番号:E20-6


取材・文/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.56(2026年冬号)より転載

Sponsored by Pylon Technologies Japan 株式会社

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