キッコーマンは、なぜその電気を使うのか? エフオンの森を育む国産木材100%バイオマス発電
2026/07/22
再エネ電力は、何を基準に選ぶべきか。 2027年度末までに再エネ比率92%を目指すキッコーマンは、脱炭素と森林保全の両立という観点から、エフオンの国産木質バイオマス電力を採用している。 その意義と狙いを探るべく、キッコーマン環境部を訪ねた。
1.再エネ比率92%へ 来年度目標達成も間近
2.水資源を守る視点で 電力調達を見直す
3.発電と森林経営を 一体で進める意義
4.「めぐりの森」が示す 自然共生の考え方
5.価格だけではない 再エネ調達のメリット
再エネ比率92%へ
来年度目標達成も間近

製造業にとって脱炭素への対応は、企業価値そのものを左右する経営課題だ。
多くの企業が太陽光発電設備の導入や省エネ活動を進めるとともに、購入する電力の見直しを図っている。
キッコーマンは、そうした脱炭素化の先駆的な取り組みで知られる。
同社は2030年に向けた「長期環境ビジョン」において、2018年度比でCO2排出量を50%以上削減する目標を設定。
2050年のネットゼロ実現も見据えながら、再生可能エネルギーの活用を積極的に進めている。
工場への太陽光の導入は、各地で順次行ってきた。
しかし、自家発電だけで電力需要を賄うことは難しい。
そこで同社が重視したのが、購入電力を再エネ由来の電力に替えることだった。
その成果もあり、グループ全体の再エネ比率は2018年度の2%から2024年度には72%へ上昇。
国内拠点では80%を超えた。
2027年度末までに再エネ比率92%を目指しており、その達成も既に視野に入っている。
水資源を守る視点で
電力調達を見直す

キッコーマン株式会社 環境部 部長 香西陽一郎氏(左) / 環境部 グループ環境活動担当マネージャー 菊地晃史氏
では、キッコーマンは何を基準に再エネ電力を選んでいるのか。
CO2削減効果はもちろんだが、実は、その他にも重要な観点があった。
それは同社の事業に欠かせない水のことであり、水源を涵養する森林のことだ。
キッコーマン環境部 部長の香西陽一郎氏は言う。
「しょうゆをはじめとする弊社製品の製造には大量の水が必要であり、その水源を維持するためには森林の保全が不可欠です。
水を多く使う企業として、森林環境を守っていくことが重要だと考えています」
そんな同社が注目したのが、国産の未利用材を活用したエフオンの木質バイオマス発電だった。
木質バイオマス発電は再エネであると同時に、適切な森林管理と結び付くことで森林資源の循環にもつながる。
香西氏は、その意義を高く評価した。
結果として、同社はエフオンの環境価値付き電気を一部施設で採用した。
香西氏は「同じ環境価値付き電気の中でも、国産バイオマス由来であることに加え、エフオンが自ら山林事業を行っていること」にも魅力を感じたという。
2021年12月に醸造開発センターへの導入を開始し、現在も継続して利用している。
同センターで使用する電力の100%を、エフオンから供給される再エネ電力で賄っている。
こうした同社のアプローチは、世界的にも評価が高く、2025年12月には、CDP(国際環境NGO)から「気候変動」と「水セキュリティ」の両分野で、最高評価となる「Aリスト」に選出されている。
発電と森林経営を
一体で進める意義

エフオンはバイオマス発電と電力供給を行う一方で、自ら山林事業を手掛け、燃料調達に活かしている。
全国に所有する山林で植林や育林、伐採を行い、その過程で発生する間伐材や、建材にならない未利用材を発電燃料(木質チップ)として活用している。
同社が目指しているのは、森林資源を消費することではなく、森林を維持し育みながら循環させることだ。
自社林をはじめとして国産材だけを使うことで、輸送に伴う環境負荷も抑えられ、燃料調達の透明性も確保される。
加えて木質バイオマス発電は天候に左右されることなく、高い稼働率が維持されるので、24時間操業を前提とする工場など、安定供給を求める需要家にとって心強い選択肢となっている。
これについて、キッコーマン環境部グループ環境活動担当マネージャーの菊地晃史氏は「国際情勢が不安定なときにも、安定的に供給してもらえることがありがたい」と話す。
「めぐりの森」が示す
自然共生の考え方

エフオンの森林に対する考え方を象徴するのが「めぐりの森」の取り組みだ。
同社は森林を単なる燃料供給源としてではなく、水源涵養や生物多様性保全など、多様な価値を持つ自然資本と位置付け、専門家と連携した生態系調査や保全活動に取り組んでいる。
電力料金の一部をこうした活動に回すことで、電力需要家に対して環境省が発行する「自然共生サイトに係る支援証明書」を取得することができるよう検討するなど、新たな価値の創出にも努めている。
キッコーマンが水資源の保全を重視する中で、こうした森林との向き合い方に共感したことは自然な流れだったと言えるだろう。
価格だけではない
再エネ調達のメリット
エフオンが供給するバイオマス電力は、環境価値付き電気として、非化石証書(再エネ指定)が付帯する。
需要家は再エネ由来の環境価値を活用でき、CDPやRE100などの国際的な再エネ調達の枠組みにも対応可能となる。
脱炭素経営を進める上で求められる制度面の要件を満たしつつ、森林資源の循環や水源環境の保全にまで貢献できるエフオンの電気。
その電気を使うことは、需要家企業の社会的価値を高めることにもつながっていく。
「CO2を抑えること、森林を育て、水源を守ること」
キッコーマンとエフオンにおいて、それらは個別の課題ではなく、一体的なものだった。
脱炭素と環境保全を重視する企業にとって、両社の取り組みは、再エネ調達の新たな可能性を示していると言えるだろう。
DATA

株式会社エフオン
東京都千代田区丸の内一丁目9-2 グラントウキョウサウスタワー17F
電力事業部電力小売課
TEL: 03-4500-6300
Mail: efon_denryoku@ef-on.co.jp
取材・文/廣町公則
取材協力/キッコーマン株式会社
【GX JOURNAL vol.1】より転載
Sponsored by 株式会社エフオン






