脱炭素

再エネが繋げない? 送電線「空き容量ゼロ」は本当か

太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電設備をつくっても、電力会社から「送電線に空き容量がない」と言われ、電力系統に接続してもらえない。いま、そんな状況が各地に拡がっている。しかし多くの場合、「空き容量ゼロ」どころか、まだまだ余裕があるというのが実態のようだ。京都大学・安田陽教授らが分析した。

 

実際は「ゼロ」ではない
京大教授が解析し話題に

「空き容量ゼロ」問題が、再エネ事業者や研究者たちの間で大きな話題となっている。それに応えるかのように、経済産業省資源エネルギー庁も12月26日、『送電線「空き容量ゼロ」は本当に「ゼロ」なのか?』と題するスペシャルコンテンツをHPに掲載した。「空き容量ゼロ」問題は、今後さらに議論を呼ぶことになるだろう。

この問題の火付け役になったのが、京都大学大学院 経済学研究科 再生可能エネルギー経済学講座の安田陽教授と山家公雄教授による研究だ。近年、電力会社各社は独自の計算方式によって「空き容量」を発表しているが、両教授は欧米で一般的な実潮流ベースでの解析を試みた。この解析によって、「空き容量ゼロ」とされている送電線の、実際の利用率が明白となる。

解析対象となったのは、青森・秋田・岩手・山形4県のほぼ全域で「空き容量ゼロ」とされた東北電力エリアと、同じく主要送電線の多くで「空き容量ゼロ」が示された北海道電力エリア。実潮流データおよび送電線運用容量データには、電力広域的運営推進機関(OCCTO)の公開資料が用いられた。

京都大学・安田陽教授。風力エネルギー利用シンポジウムにて。

12>

関連記事

2018/04/09 | 編集部からのお知らせ

安田教授が指摘! 化石燃料の”隠れ”コスト

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 「ANDPAD受発注」の導入で業務を効率化!施工品質のさらなる向上を目指す
  2. 【インター・ドメイン】太陽光発電一体型計測ステーション、計画段階から運転開始後までデータ収集...
  3. 安全・安心でダウンタイムのない発電所のために。気象情報と稼働状況をAIが予測し一次対応を軽減...
  4. 長期安定適格太陽光事業者制度始まる。複数の遠隔監視システムを使う発電所の「バルク管理」の課題をどう解決するか...
  5. 東京都の「優れた機能性を有するシステム」に認定! AIKOのABCモジュール
  6. Sigenergyのハイブリッドパワコンを活用した、高過積載と蓄電池システムの新スキーム...
  7. 系統用蓄電池の導入拡大が進む システム価格は前年比 約2割減
  8. エネ基2040ビジョン、具体化へ① PV業界の明日がわかる最新政策パッケージ...
  9. 【参加受付中!】2025年9月12日(金)「第35回PVビジネスセミナー」
  10. 北海道釧路市「ノーモア メガソーラー宣言」 10kW以上の事業用太陽光発電を許可制へ...
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.54 | ¥0
2025/8/1発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ