アセットマネジメントを日本の太陽光市場に根付かせる。
2022/06/24
太陽光発電所の収益性向上に不可欠な「アセットマネジメント」。日本全国でO&Mを手掛けるオリックス・リニューアブルエナジー ・マネジメントの副社長 兼 戦略責任者 百合田和久氏に、アセットマネジメントの普及について考えを聞いた。
トップ画像:オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメントの百合田氏。太陽光発電所におけるアセットマネジメントの重要性について、確信に満ちた口調で語ってくれた。
アセットマネジメントの産業化へ
2つのサービスを開始
FIP制度が開始され、産業用太陽光発電ビジネスの不確実性が高まる中、太陽光発電所を管理して投資予見性を高める「アセットマネジメント」に関心が集まっている。
今年3月に開催されたスマートエネルギーWeek 2022 春 では、オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM)ほか計6社が共同で出展し、アセットマネジメントに関するサービスを展開した。
OREM の副社長 兼 戦略責任者を務める百合田和久氏は、以下のように語る。
「アセットマネジメントは、完成した太陽光発電所をマネジメントして投資回収性を最大化するものですが、日本ではこれまで十分に行われてきたとは言い難い状況です。私達オリックスは、日本において初めてアセットマネジメントの本格化を成功させました。全国約83ヶ所430MWの太陽光発電所を運用してきた中で、アセットマネジメントには様々な専門性を持ち寄って、チームで取り組む必要があることを認識しました」。
スマートエネルギーWeekでOREMと共同で出展をしたのは、①統合監視・分析とソフトウェアを手掛けるEnvision Digital Japan、②遠隔監視と制御システムを提供するオーナンバ、③パワーコンディショナ・蓄電池システムほか電気設備を提供するTMEIC、④雑草対策に長けたレインボー薬品、そして⑤調査・土木メンテナンスを得意とするジオシステムだ。
いずれも、OREMが太陽光発電所のO&Mを手掛ける中で、各社サービスの優れた品質を理解したことが、共同での出展につながった。
百合田氏は、アセットマネジメントを日本のマーケットに産業として根付かせたい、という。
「カーボン・ニュートラルの実現には、太陽光発電ビジネスへの継続的な投資が欠かせません。日本のマーケットに資金を呼び込み続けるためには、投資予見性を高めることが重要です。アセットマネジメントの大切さとビジネスとしての収益性を、ぜひ業界の皆様に知っていただきたい」(百合田氏)。
そのための方法としてOREMが提供を開始したのが、「メガソーラー向けターンアラウンドサポートサービス」と「O&M費かんたんシミュレーションサービス」。太陽光発電所の価値を把握し、収益性の向上につながるものだ。
「アセットマネジメントを始めたい」という人の第一歩として、ぜひチェックしてみてほしい。