業界ニュース

農水省、望ましい営農型太陽光発電の最終案を提示 遮光率は30%未満で「米・麦・大豆」の栽培を推奨

農林水産省は、1月23日に開催した有識者会議で、「望ましい営農型太陽光発電の考え方の最終案」を公表した。発電設備の形状として遮光率は30%未満で、食料安全保障に資する「米・麦・大豆」の栽培を推奨する。

<目次>
1.望ましい営農型太陽光 3つの柱を提示
2.栽培する品目は米・麦・大豆を推奨
3.営農型太陽光発電を発電主導から営農主導へ

 

望ましい営農型太陽光
3つの柱を提示


望ましい営農型太陽光の考え方(案)出典:農林水産省

最終案では、発電設備の構造や栽培品目、地域共生のあり方について具体的な要件を示している。「望ましい営農型太陽光の考え方」の3つの柱は、(1)発電設備の形状:一般的な農業の継続を重視、(2)営農の内容:食料安全保障への貢献、(3)地域との共生:利益還元と合意形成となっている。

このうち、「発電設備の形状」については、将来にわたって機械作業を含む一般的な農業が継続できる設備であることを求めている。具体的には、遮光率が30%未満であること、適切な日射量を確保し、収量減少を防ぐこと、作業性を確保するため、最低地上高や支柱間隔が、農機具の作業に支障ない構造であることを挙げた。
 

栽培する品目は
米・麦・大豆を推奨


望ましい営農型太陽光の考え方(案)出典:農林水産省

「営農の内容」については、単なる売電目的ではなく、確実に営農継続が図られて農業者の所得向上を前提とする考えを示している。栽培する品目は、遮光環境下でも一定の収量が確保でき、食料安全保障に資する「米・麦・大豆」を推奨している。営農者の適格性は、地域計画に位置付けられ、当該品目での生産・販売実績を持つ者であることとしている。その一方で、不適切な事例として、毎年の収穫に適さない観賞用植物(サカキ、シキミなど)や、遮光率制限により栽培が難しくなる品目(ミョウガ、キノコ類など)は「望ましくない」位置づけとなる 。

「地域との共生」については、地域社会の一員として認められるため、地域の合意形成や利益還元のあり⽅を明確化にするよう求めている。具体的には、周辺住民や地域の農業者との合意形成がなされていること、発電事業者から営農者へ適正な利益還元が行われること、将来的な設備撤去費用の確保が確実であることを示している。
 

営農型太陽光発電を
発電主導から営農主導へ


2023年度末の営農型太陽光発電設備設置状況について(出典 農林水産省)

今回の最終案は、営農型太陽光発電を「発電主導」から「営農主導」へと明確に引き戻す狙いが見て取れる。特に「米・麦・大豆」の推奨は、食料安全保障を重視する国の強い姿勢の表れと受けとめられている。

1月23日の有識者会議では、出席した委員から「遮光率30%を超える設備でも適正に営農が行われている事例がある」「一律の数値設定は日陰を好む作物の排除やイノベーションの阻害につながるおそれがある」「地域の特性を踏まえて、地域が良いものと認める取り組みは取り入れられる仕組みが必要だ」「基準を定めて議論を終わりにするのではなく、今後も継続的に検討を続けてほしい」「地域を巻き込みながら、地産地消の枠組みのなかで営農型太陽光発電を実現することが重要だ」「望ましい営農型太陽光の枠に収まらない既存事業者への対応が課題である。一度設置した設備を変更することは現実的に困難だ」などの意見が出された。

農水省は、「営農型太陽光発電の望ましい考え方」を「農山漁村再生可能エネルギー法」に基づく基本方針に明記する方針だ 。これにより、自治体が国の指針に沿って事業の適否を判断できるようになり、営農型太陽光の適正化につながるような

DATA

農水省 望ましい営農型太陽光発電に関する検討会
https://www.maff.go.jp/j/study/250609.html


取材・文/ソーラージャーナル編集部

アクセスランキング

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.56 / ¥0
2026年2月13日発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ