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混迷するエネルギー情勢のもと太陽光発電に課せられた使命とは?

太陽光発電協会(JPEA)は1月19日、新春交流会を都内ホテルで開催した。冒頭挨拶に立った代表理事の山口悟郎氏(京セラ代表取締役会長)は、混迷するエネルギー情勢のもと太陽光発電に課せられた使命を新たにし、山積する課題の解決に全力で取り組んでいく決意を示した。

山口代表理事の
挨拶の要旨

皆様ご存じのとおり、昨年度、世界情勢は気温上昇1.5℃未満を目指した脱炭素化を加速し始めました。ちょうどその頃、ロシアによるウクライナへの侵攻が勃発いたしまして、エネルギー情勢は温暖化対策も含めて先行きが読めない混沌とした事態に陥りました。LNGや原油の確保・供給問題は、今後も世界各国の経済や暮らしにたいへん大きな影響を及ぼすものと危惧しております。

また、アメリカ・欧州での政策金利引き上げの反動から世界的な景気の後退が懸念され、現在は少し落ち着いてはおりますけれども円相場が一時150円を突破するなど、エネルギー資源を輸入に頼る我が国にとりましては大きな打撃となりました。

こうしたなか、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた事業規律の強化と地域共生の必要性が議論されるなど、価格が高騰する電力市場での短期中期の課題と平行して、次世代電力システムのあり方等が検討されました。

さらに年末には、グリーントランスフォーメーション実現に向けた基本方針として、今後10年を見据えたロードマップが示されました。そのなかで、再エネの調整力としての蓄電池導入支援や、次世代太陽電池ペロブスカイトの早期社会実装、原子力の活用、成長志向型カーボンプライシング構想の実現・実行等が盛り込まれたことは、皆様の記憶に新しいところと思います。

このように世界動向が混乱を極めるなかで、地政学的リスクも踏まえたエネルギー対策は急務でありまして、再生可能エネルギー主力電源化の一翼を担う太陽光発電業界としても、その重責をより強く感じているところでございます。

JPEAでは昨年夏に、地域との共生・共創に基づく太陽光発電の健全な普及を目指して、発電事業者による自主的な行動原則の公開や意思表明を公表いたしましたが、太陽光発電のあるべき本来の姿に向けては、マイナスイメージの払拭ですとか、調整力、安定供給の問題も含めまして、まだまだ取り組むべき課題が山積しております。

これまでJPEAでは、事務局長を代表理事会社からの選出としておりましたが、JPEAの活動も多様化し、多岐に渡ってきたことから、その継続性を重要視いたしまして、専任の事務局長を置く体制に変更いたしました。これに伴い、1月から増川武昭氏を事務局長に迎えまして、新体制のもと実行力・発信力の強化を図ってまいります。そのうえで、改めて太陽光発電のメリットや導入拡大の意義を、メディアも含めて広くアピールしていきたい考えております。

JPEAビジョン「2030年125GW導入」に向けまして、今年が転換点となるように、全力で取り組んでまいる所存です。皆様の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

~来賓として、経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長の井上博雄氏、自由民主党 再生可能エネルギー普及拡大議員連盟会長の柴山昌彦衆議院議員らが挨拶した。~

経済産業省 資源エネルギー庁
省エネルギー・新エネルギー部長

井上博雄氏

自由民主党 再生可能エネルギー
普及拡大議員連盟会長

柴山昌彦衆議院議員

PROFILE

太陽光発電協会 代表理事
(京セラ代表取締役会長)

山口悟郎氏


SOLAR JOURNAL vol.44(2023年冬号)より転載

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