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電力消費者の負担を抑制!米国の太陽光入札制度に迫る

米国では、太陽光発電の発電コストが、従来の化石燃料の発電コストに匹敵するまで低コスト化が進んでいる。太陽光発電導入量で米国の半分以上を占めるカリフォルニア州の消費者への負担転嫁を抑える電力調達とは?

「2030までに50%」
カリフォルニアの入札制度

太陽光発電導入量で米国の半分以上を占めるカリフォルニア州は、2002年から2011年に上方修正された「2020年までに33%」という『RPS法』を、2015年に「2030年までに50%」とさらに目標を上方修正し、現在、州政府は「100%再エネ」も検討している。

この上方修正には、気候変動対策強化の他に、太陽光発電のコスト低下に伴って、従来の化石燃料発電所を上回るコストパフォーマンスが実現されたことが大きく貢献しているだろう。

消費者への負担転嫁を抑える
大規模発電向けRFP

大規模発電用入札で導入された550MWの「トパーズ・ソーラー」と呼ばれる米国最大規模の太陽光発電所 出所:First Solar

カリフォルニア州でのRPS用電力調達には、主に3つの方法がある。まず、一般に「RFP
(Request For Proposal:提案依頼書)」と呼ばれる競争入札制度である。入札対象は、送電網に接続される25MW以上の大規模発電所となっている。

電力会社が事業者に提案書提出を依頼し、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)の方針に従い、提案の中で「最も価格が低く、さらにベストフィット」と呼ばれるプロジェクトを選択し、プロジェクト提案者と個別に電力購入契約(PPA)を交渉し、最後にCPUCから承認を得て、PPAを結ぶ 。CPUCによると、2008年には平均13.59米セント/kWhだった発電所用太陽光発電の入札コストが、2010年には12.77米セント/kWhになり、2016年にはなんと2.91米セント/kWhと、2008年から77%減となっている。

このRFP入札方法の利点は、価格競争を促し、より現在の市場動向が反映された価格で電力消費者への負担転嫁を削減できることだが、発電所の規模が大きいので交渉と落札決定までに長い時間がかかる。


文/モベヤン・ジュンコ

SOLAR JOURNAL vol.24より転載

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