営農型太陽光の農地転用許可が「10年」に延長!
2018/05/16
農業を営みながら発電事業を行い、作物の販売収入に売電収入を加えることで農業経営が改善される「営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)」。5月15日、農林水産省が、担い手の所得向上や荒廃農地の解消につながる取組みを後押ししていきたいという考えから、制度の見直しと促進策を発表した。
担い手の収入拡大と荒廃農地の再生
農業者を細やかにサポートする促進策
ソーラーシェアリングの一時転用許可期間が10年以内に延長された――――
これまで、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)については、太陽光パネルを支える支柱を立てる農地について、一時転用許可期間が一律3年以内と定められ、営農に問題が無ければ再許可が可能とされるという仕組みだった。そのため、ファイナンスの面などで、導入を断念しなければならなかいケースが多くみられ、普及に向けた懸念点となっていた。
農林水産省は5月15日、今後、担い手が営農する場合や荒廃農地を活用する場合等には、一時転用許可期間を10年以内に変更することを発表した。関連する農村振興局長通知を同日付けで発出し、同日付で施行。既に許可期間の延長が開始されている。一時転用許可期間を理由にソーラーシェアリングを諦めていた農業従事者への、待ちに待った朗報だ。
ただし、営農が行われていない(または見込みがない)ケースや反収が2割以上減収しているケースなど、一時転用許可に違反する場合には、文書による改善指導や経産省におけるFIT豊穣の措置などを経て、改善が図られない場合には、農地転用許可の取消やFIT認定の取消もあり得る。あくまで営農の継続・拡大に資するものとして、太陽光発電を活用することが求められているのだ。
その他の促進策としては、資金調達の円滑化を図るべく、地域の金融機関に対して融資の判断に役立つように情報提供することや、農業者がソーラーシェアリングを円滑に実施するため、営農計画、発電事業等に係るチェックリストを作成して周知することが発表された。さらに、地方農政局の農山漁村再生可能エネルギー相談窓口が、ソーラーシェアリングに関する農業者等からの問合せに対応してサポートし、若者へ向けた新たな農業スタイルやハウスでの水耕栽培と組み合わせた優良事例などを随時ウェブサイト等で紹介するなど、導入支援体制を強化する取り組みも実施される。
これらの政策は、ソーラーシェアリングの下部農地での農業生産や地域農業の持続的な発展が図られるよう、農業政策の一環として推進されるもの。農林水産省は、担い手の収入が拡大することで、農業経営のさらなる規模拡大等を期待し、荒廃農地が増加する中、ソーラーシェアリングを活用した荒廃農地の再生を望んでいる。
今回の政策がソーラーシェアリングの導入を強く促し、日本の農業の発展に寄与することは間違いないだろう。
問い合わせ
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食料産業局バイオマス循環資源課再生可能エネルギー室
TEL:03-6744-1507
<農地転用許可の取扱いの見直しについて>
農村振興局農村計画課
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