あと十数年で27GW拡大!? コミュニティ・ソーラー市場の可能性
2019/01/08
アメリカでは、コミュニティ・ソーラー市場の累積設置容量が年々右肩上がりだ。今後はますます盛り上がりを見せ、2030年には57GWから84GWまで拡大すると予測されている。
前記事:経済活性化と電気代削減を同時に実現する”コミュニティ・ソーラー”とは
十数年で27GW拡大!?
予測される今後の可能性
現在米国には42州で各州に少なくとも1つのコミュニティ・ソーラーが運営されているが、42州のうちコミュニティ・ソーラーが法律化、または規制されているのは19州とワシントンDCになる。
全米で最初のコミュニティ・ソーラーはワシントン州エレンズバーグ地方組合電力会社が建設した36kWの小さなシステムで、現在最も大きいコミュニティ・ソーラーはアリゾナ州ツーソンエレクトリックパワー電力公社(TEP)が運営している23MWになる。
米クリーンエネルギーコンサルティング会社であるウッドマッケンジー社によると、2010年当初コミュニティ・ソーラーの累積設置導入量は全米太陽光発電設置容量のわずか0.1%だったのが、2018年前期末にはシェアが1.7%にまで拡大したそうだ。
米コミュニティ・ソーラー累積導入量と米太陽光発電市場におけるシェア
出所:Wood Mackenzie/Vote Solar
同社は2030年にはコミュニティ・ソーラー市場の累積設置容量は57GWから84GWに拡大すると予測している。これは米国の総電力発電量の1.7%から2.6%に相当する。
コミュニティ・ソーラーの可能性をさらに拡大させるためには、さらなる政策を整えること、既存のプログラムを拡大し持続させること、低・中所得層の参加を促すようにプログラムをデザインすることなどが挙げられている。
コミュニティ・ソーラーは、電力消費者に電気代削減、長期間に渡る予測可能で安定した電気料金、選択の自由を提供するだけでなく、地域レベルによるクリーンエネルギー開発・導入によって地域の経済、災害対策、さらに環境改善という恩恵ももたらす。誰でも参加でき、自産自消と地産地消を促進するコミュニティ・ソーラーは誰にとってもウィン・ウィンのようだ。
コロラド州ボルダーで稼働しているコミュニティ・ソーラー(500kW)
出所:Clean Energy Collective
文/モベヤン・ジュンコ
SOLAR JOURNAL vol.27(2018年秋号)より転載