【インタビュー】PVシステムメーカーに訊く! 自家消費市場へ向けた戦略とは?
2019/08/13
電力自家消費市場の活性化により注目されている、蓄電池やモニタリングシステム。太陽光発電のシステムメーカーは、どのような戦略を立てているのだろうか?
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エクソルは産業用・住宅用に
新たなソリューションを
日本は、これから本格的な「ポストFIT時代」に入ります。既に「電気は買うより創る、売るより使う」という考え方が、あたり前になってきました。こうした状況を踏まえ、エクソルではいま産業用・住宅用それぞれに、次代に向けた新たなソリューションを提案しています。
産業用では、ピークカット用蓄電ユニットを用いた自家消費型太陽光発電システムの開発を進めています。太陽光発電の自家消費に加え、独自の蓄電ユニットでピークカットを実現し、電力コストの大幅削減を可能にします。企業の持続的成長につながるESGやSDGsへの取り組み、ブランド力強化にも貢献するものです。
住宅用においては、「ジャストコンパクト」と「のせトク?」という2つのソリューションを発表しました。ジャストコンパクトは、パワコンや接続箱が不要で、太陽光パネル3枚以下でも設置可能な新発想のシステムです。「のせトク?」は初期費用0円、月々の使用料を支払うことで太陽光発電を設置できるサービスです。
エクソルでは、こうしたソリューションにより、すべての屋根への太陽光発電システムの搭載を実現したいと考えています。そこにあるのは、国民負担をともなわず、大きな土地も必要とせず、送電網の心配もない、環境価値の高い、純国産エネルギーです。一緒に、日本のエネルギー革新を実現させましょう。
プロフィール
株式会社エクソル 代表取締役社長
鈴木 伸一氏
TAOKEは
遠隔監視のノウハウを活かし
蓄電池市場に参入!
TAOKEは、産業用太陽光発電システムのクラウド型遠隔監視システムを世界で最初に開発したパイオニア企業です。現在は日本、中国、ドイツ、イタリア、マレーシア、オーストラリア、インドなど10数ヶ国で稼働しています。
私どもの遠隔監視システム「Smart PV遠隔監視システム」が導入された太陽光発電所は、総容量3GWを超えて増え続けています。
日本での展開としては、昨年、TAOKEENERGYという蓄電領域に特化した新会社を設立したことが大きなトピックです。この背景には、2019年にFITを卒業するユーザーが大量に現れ、自家消費が大きなテーマになってくることがあります。私どもでは、まずは蓄電池そのものを低価格で提供し、ユーザーのニーズにダイレクトに応えていきたいと考えています。
蓄電池事業を本格展開するにあたっては、OEM生産を委託する蓄電池セルメーカーにこだわりました。提携したのは、世界No.1の出荷量を誇る中国のCATLです。BMWをはじめ、自動車用バッテリーのリーディングカンパニーとしてご存知の方も多いでしょう。TAOKEは、CATLとのパートナーシップをベースに、世界トップレベルの蓄電システムをローコストでお届けいたします。
第1弾の製品は家庭用蓄電システムで、6.5kWh、9.6kWh、12.8kWhの3タイプをラインナップ。産業用も夏以降、順次発売いたしますので、どうぞご期待ください。
プロフィール
TAOKE株式会社 取締役営業部長
金澤 圭介氏
NTTスマイルエナジーの
「卒FIT」電力の買い取り戦略
今年11月から、いよいよ住宅用太陽光発電の「卒FIT」が出てきます。日本の太陽光発電は、新たなステージに入ったと言っていいでしょう。そこには、これまでになかった様々なニーズが存在します。NTTスマイルエナジーでは、これまでに培った通信・制御技術を駆使して、お客様の多様なご要望にお応えしてまいります。
その1つが、卒FIT電力の買い取りです。卒FITユーザーの余剰電力を買い取り、協力会社であるエネットにまとめて供給し、エネットが環境負荷の低い電力として、RE100加盟企業等の需要家に販売するというスキームです。
また、発電量の遠隔監視に加えて消費量の見える化も可能にした自家消費向けの「エコめがねG」を提供し、自家消費ニーズに応えます。蓄電池のある家庭に向けては、充放電の制御にも役立つ「ちくでんエコめがね(仮称)」の提供も予定しています。
さらに、太陽光発電と電気自動車を組み合わせたV2B(Vehicle to Building)の実証にも取り組んでいます。放充電をクラウドから遠隔で最適制御し、エネルギーコスト削減やCO2削減等の有効性を検証するものです。私達は分散型エネルギーリソースを繋いで制御することで、エネルギーの効率性や持続可能性の向上を図り、環境・エネルギー問題の解決に繋げたいと考えています。
人々が笑顔で安心して暮らせる、より良い社会の創造に貢献できれば幸いです。
プロフィール
株式会社NTTスマイルエナジー 代表取締役社長
小鶴 慎吾氏
サンレールは
太陽光発電カーポートで
自家消費電力をサポート
サンレールは、日本のアルミ架台メーカーとして、太陽光発電産業の普及発展に尽力してまいりました。単管・スチール架台がほとんどだったFITスタート当初からアルミ一筋に研究開発を進め、その品質は、多くの発電事業者・モジュールメーカー・EPC・販売施工店様に高く評価していただいております。
FIT価格がとんどん下がり、これからの太陽光発電は売電よりも自家消費が主流になってくるでしょう。弊社も、これまでは野立て太陽光を中心に事業展開を図ってまいりましたが、これからは自家消費型のシステムにも力を入れたいと考えています。
その1つが、太陽光発電カーポート「サンレールポート」です。野立てアルミ架台で培ったノウハウを活かして、風速40m/sまで対応可能な耐久性の高いシステムに仕上がっています。モジュール屋根タイプ、折板屋根モジュール付きタイプなどラインナップは豊富です。
メーカー・サイズを問わず様々なモジュールに対応でき、既設屋根への設置も可能です。スーパーマーケットをはじめ、屋根上だけでは自家消費電力を賄いきれない商業施設などに提案していきたいと考えています。
1972年の創業以来、46年にわたって蓄積してきたアルミに対する知見をベースに、これからも業界の皆様の多様なニーズにお応えしてまいります。
プロフィール
株式会社サンレール 代表取締役社長
廣瀬 良弘氏
スマートソーラーは
O&Mで社会課題の解決を!
私たちスマートソーラーは、すべての人々に太陽光発電による電力を化石電力より安く提供し、CO2を削減して、安心・安全で持続可能な社会を築くことを目指しています。それを実現するために、メガソーラー、スマートハウス、スマートシティ、電力取引、O&Mという5つの事業分野で、それぞれに社会課題の解決に向けた活動を推進しています。
PV事業開発部では、住宅用太陽光発電と蓄電システム、HEMSをネットワーク化した新システムの提案に注力しています。これからは電気を買う時代から、自給自足の自家消費時代へ変わっていくでしょう。
弊社では、性能・品質に加えお客様の経済性を追求、システム価格の低減にも努めました。太陽光でつくった電気を蓄電池に貯めて自家消費したり、時間帯別料金プランの電力を活用することで、経済メリットの最大化を実現します。
蓄電システムについては、買電電力量を大幅に削減し、余剰電力をしっかり蓄電できる大容量12kWhのリチウムイオン蓄電池を開発しました。HEMSにはAIが搭載されており、発電量予測と消費予測で蓄電池を最適に自動制御します。
ビジネスパートナーとなる住宅メーカーや工務店様向けの販売支援体制や、新しい販売スキームを準備し、今後も太陽光専業会社として、持続可能な社会の実現に尽力してまいります。
プロフィール
スマートソーラー株式会社 PV事業開発部長
白井 良典氏