エネルギーミックス実現なるか? 想定される国民負担額とは
2018/02/27
2017年7月、経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部に就任した髙科淳氏。それまでも同部政策課長として、エネルギー基本計画やエネルギーミックスの策定等に尽力してきたエキスパートだ。髙科氏にエネルギー計画について考えを伺った。
エネルギー基本計画
再エネを主力電源に
現在、「エネルギー基本計画」の見直しに関する検討が進んでいます。この中で、今回はじめて再エネに対して〝主力電源〞という言葉を使いました。「再エネを主力電源にする」ことが、大きな目標になろうとしているのです。また、2050年に向けたビジョンも議論されることになるでしょう。先に進むためにも、まずはエネルギーミックスで掲げられた2030年の再エネ比率22〜24%という目標を、しっかりと実現していかなければなりません。
そのためには、やはり再エネをコスト競争力のある電源にしていくことが不可欠です。エネルギーミックスでは、2030年度の再エネ導入に伴う国民負担(賦課金総額)を3.1兆円と想定しています。FIT制度スタート以降、再エネ比率は10%から15%になり、5%増えましたが、既に賦課金総額は約1.8兆円に達しています。
エネルギーミックスを実現するためには、プラス1兆円強で、これからさらに7〜9%、再エネ比率を高めていかなければならないのです。私達は、いろいろな施策を織り交ぜながら、これを実現してまいります。再エネを主力電源にするために、ともに頑張っていきましょう。
PROFILE
髙科淳氏
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長
1989年、通商産業省入省。通商政 策局通商機構部参事官等を経て、 2013年より資源エネルギー庁省エ ネルギー・新エネルギー部政策課長、2017年7月より現職。
撮影・取材・文/廣町公則
SOLAR JOURNAL vol.24 より転載