太陽光発電を犯罪から守る!プロが語る防犯対策とは?
2018/05/30
全国各地の太陽光発電所で、盗難事案が発生している。防犯意識を高めて地域社会に貢献しなければ、業界に未来はない。防犯のスペシャリストである日本防犯学校学長の梅本正行氏と、株式会社リアルヴィジョン代表の袋雅和氏に、太陽光発電所に求められる防犯対策について語ってもらった。
素人判断ではない
防犯対策が必要
袋 :太陽光発電に防犯は必須ですが、その理由について考えるために、まずは犯罪の現状を整理しておきたいと思います。
特に、売電メーターとパワコンをつなぐケーブルが盗まれる案件が目立ちます。なぜなら、このケーブルは埋設していても、パチパチと切って引き抜けばするすると抜けてしまい、すぐに盗めるからです。ケーブルは売ることができますから、例えば1回5分で1万5000円分のケーブルが手に入れば、犯罪者にとっては割がいいのです。
梅本:メガソーラーは海外からの窃盗団に狙われていますね。被害額が数百万円に上ることもザラです。盗難される環境というのはだいたい決まっています。例えば、県境や高速道路のジャンクションからそんなに離れていない場所など。
いずれにしても、すぐにペンチで切れるような外構にしているなど、防犯に対する意識が甘い施工業者があまりにも多いのが現状です。といって、防犯は素人判断でしない方がいい。犯罪者が嫌う防犯対策というのがあります。セキュリティは最前線のものを扱う専門企業に依頼すべきです。
その際、選ぶポイントは、防犯システムを1つのメーカーに絞っていないことです。色々なメーカーや商材を扱うことにより、 様々なお客様の環境に合った防犯対策のアドバイスができます。その点で、袋さんは相談相手としてうってつけです。
梅本正行氏
一般社団法人日本防犯学校 学長
防犯ジャーナリスト、犯罪アナリスト。NPO犯罪予防相談センター創立者、理事長を経て、2006年4月より一般社団法人日本防犯学校の学長を務める。1964年セキュリティ関連事業に参入し、予知防犯対策の重要性を呼びかける。
低圧設備は明らかではないが、高圧設備では盗難被害による太陽光発電設備の長期停止が発生している。
出典:新エネルギー発電設備事故対応・構造強度WG商務流通保安グループ電力安全課「太陽光発電設備の規制見直しについて」(平成28年3月22日)
※新聞報道を基に SOLAR JOURNAL編集部が作成。