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バイオマス発電急増! 大規模案件に入札制度を導入

今、バイオマス発電のFIT認定量が急激に増加しており、2030年のエネルギーミックス想定よりも3倍程度にまで膨らんでいるという。これを受けエネ庁は、大規模案件に対して入札制度の導入を開始。新たに区分けされた3つのカテゴリーと、それに準ずるFIT価格をチェック!

FIT認定量が急増!?
2030年度想定導入量の3倍に

これまでの一般木材等バイオマス(一般木質バイオマス)が、3つのカテゴリーに区分けされた。

まず大きく、固形燃料と液体燃料に分けられ、さらに固形燃料については1万kW以上と未満に分類された。そして、液体燃料と1万kW以上の固形燃料については、今年度より「入札」によって買取価格が決められることになった。

一般木質バイオマス発電のFIT認定量は、直近の1年間で急増しており、既にエネルギーミックスで想定された2030年度導入量の3倍程度にまで達している。

一方で、買取価格は高止まったままで、コスト低減が進んでいなかった。入札制度の導入によって、大幅なコスト低減がもたらされるものと期待されている。

■バイオマスの種類とFIT価格
【メタン発酵ガス】下水汚泥・家畜糞尿・食品残さ由来のメタンガス
【間伐材等由来の木質バイオマス】間伐材、主伐材※6

【一般木質バイオマス・農産物の収穫に伴って生じるバイオマス固体燃料】製材端材、輸入材※6、剪定枝※7、パーム椰子殻、パームトランク
【農産物の収穫に伴って生じるバイオマス液体燃料】パーム油
【建設資材廃棄物】建設資材廃棄物(リサイクル木材)、その他木材
【一般廃棄物・その他のバイオマス】剪定枝※7・木くず、紙、食品残さ、廃食用油、黒液

※6. 「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」(林野庁)に基づく由来の証明のないものについては、建設資材廃棄物として取り扱う。
※7. 一般廃棄物に該当せず、「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」(林野庁)に基づく由来の証明が可能な剪定枝については、一般木質バイオマスとして取り扱う。

パーム油に新カテゴリー
バイオマス液体燃料

新たに設けられた「液体燃料」とは、パーム油等のバイオマス液体燃料のことを指す。こうした液体燃料を利用した発電はディーゼルエンジン発電であり、もともと一般木質等バイオマス発電として想定されていた固形燃料による発電方式(蒸気タービン発電)とは異なっている。そのためコスト構造に違いあり、同じカテゴリーとして同一の買取価格を設定することには無理があった。

しかも、FIT認定を受けた一般木材等バイオマス発電のうち、件数ベースで約5割、出力ベースで約4割が燃料にパーム油を含む案件となっていた。新カテゴリーの創設には、こうした現状に対応する狙いがある。

■一般木質バイオマスに占めるパームオイル案件の割合

出典:調達価格等算定委員会


取材・文/廣町公則

『SOLAR JOURNAL』 vol.25より転載

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