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太陽光発電のセカンダリー取引、2020年には市場規模が2.5倍に拡大!?

近年注目が集まる、太陽光発電の「セカンダリー市場」。矢野経済研究所の発表によると、2017年度の見込取引規模から、2020年度には2.5倍以上まで成長することが予測されるという。中古の太陽光発電所が投資商品として人気な理由とは?

注目を集める中古市場
2020年度は800MWに!?

シミュレーションではなく実際の発電実績を元に利回りを計算でき、固定価格買取制度(FIT)による買取が保証されている中古太陽光発電所が、魅力的な投資商品として注目を集めている。

今年5月、株式会社矢野経済研究所が中古太陽光発電所を取引する「セカンダリー市場」に関するリサーチを発表した。下のグラフをご覧いただきたい。

■太陽光発電所セカンダリー市場規模の予測

注1.当該年度に取引されたあるいは取引される予定の稼働済み太陽光発電所の発電出力ベース
注2.2017年度は見込み値、2018年度以降は予測値
グラフ出典:矢野経済研究所

太陽光発電所セカンダリー市場の規模(当該年度に取引されたあるいは取引される予定の稼働済み太陽光発電所の発電出力ベース)は、2016年度が200MW、2017年度が前年度比150%の300MW、そして2020年度にはさらに2.5倍以上の800MWまで拡大するという予測が示されている。これまでに、数十MWクラスの大型太陽光発電所の取引例があるという。

「中古太陽光発電所」購入への
抵抗が低くなっている

2014年から中古太陽光発電所の仲介業を行い、低圧・高圧を含めて50件以上の取引実績を有する株式会社イードリーマーの担当者は、「発電所の売却で手に入る現金を必要とするオーナーはさほど多くないため、セカンダリー市場はじわじわと拡大していくのでは」と分析しながらも、「太陽光発電が普及してきたことで、中古の太陽光発電所の購入に抵抗がなくなってきていると感じます」と現場の肌感覚を語ってくれた。

FITの買取価格低減、また2017年4月に施行された改正FITによって、新規認定の案件については落ち着きを見せている。

しかし、改正FIT施行前に認定を受けた案件の新規稼働はまだまだ続く。そのため、セカンダリー市場の拡大が予測されるのだ。

 

取材協力

株式会社イードリーマー


SOLAR JOURNAL vol.26(2018年夏号)より転載

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