電力7社が中部電力へ送電、天気予報より日射量・気温ともに低下
2019/01/15
1月10日、中部電力は他の電力会社から電力融通を受けたことを発表。関西電力と沖縄電力を除く大手電力7社から、午前に105万kW、午後にも105万kWを受電した。天気予報よりも日射量が少なく太陽光発電の出力が低下したうえ、気温が下がって暖房需要が増加したためだという。
エリアを超えて柔軟に対応
再エネの「弱点」をカバー
中部電力は、1月10日、他の大手電力会社7社から電力融通を受けたことを発表した。
電力広域的運営推進機関に電力融通を依頼し、まず午前の9時から12時の間に、東北電力・東京電力パワーグリッド・北陸電力の3社から105万kWを受電。さらに午後にも、13時から20時の間、先の3社に北海道電力・中国電力・四国電力・九州電力を加えた合計7社から、105万kWを受電した。
電力が足りなくなった理由について、中部電力は「天候の状況変化による需要増加および太陽光発電の出力見込みが想定より下回ったことによるもの」としており、当日の最高気温(14時)を参考データとして掲出している。予報では7.5℃だったが、実績では3.2℃だったという。
つまり、天気予報よりも日射量が少なく、太陽光発電による発電量が低下。さらに冷え込みが厳しくなり、暖房による電力需要が高まったために、電力が足りなくなった、というわけだ。
なお、中部電力が他の電力会社から電力融通を受けるのは、2017年2月以来のことだという。
今回の電力融通は、「天候に左右される」という再生可能エネルギーの弱点を、エリアの垣根を超えてカバーした好例だといえる。再エネが普及するにつれて、こうした対応が必要な場面は増えていくはずだ。持続可能な社会を構築していくうえで、より一層の「エネルギーの柔軟性」が求められる。