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JCLPがエネ庁へ意見書を提出! 「発電側基本料金」による再エネ負担増を懸念

日本気候リーダーズ・パートナーシップは11月6日、託送料金の発電側基本料金の在り方についての意見書を資源エネルギー庁に手交したと公表した。発電側基本料金は一部の再エネに対して負担が重くなり、再エネの導入拡大の阻害になる懸念として、適切な制度設計を求めるものだ。

kW一律の発電側基本料金
需要家の再エネ選択の阻害に

日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は11月6日、資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー課に対し、託送料金の発電側基本料金の在り方についての意見書を手交した。JCLPとは、持続可能な脱炭素社会の実現のために2009年に設立された日本独自の企業グループで、RE100等の国際イニシアチブの国内の加盟窓口だ。

託送料金の発電側基本料金は、送配電門の維持管理のため、発電事業者にも託送料金の負担を求める制度だ。電力・ガス取引監視等委員会の「送配電網の維持・運用費用の負担の在り方検討ワーキング・グループ」が2018年6月に公開した「中間とりまとめ」においては、電源種を問わずkW一律の課金を2020年以降できるだけ早い時期に導入するとされていた。その後、制度設計専門会合等において議論が進められている。

JCLPは、「本制度が気候変動への重要な対応である再エネの導入拡大、ならびに需要家が再エネを選択するという行動を阻害する懸念」があるとして、今回の意見書の提出に踏み切った。


需要家に耳を傾けた制度設計を
「オフサイトPPA」活用も

意見書において、現在検討中の発電側基本料金の制度では、太陽光・風力などが他の電源よりも重い負担を課される懸念を指摘している。特定の再エネに負担が偏ることで、脱炭素の特性を持ちエネルギー回収率が高い再エネの導入が阻害される可能性があるとし、再エネ需要家の意見を反映した適切な制度設計を求めている。

2018年7月に閣議決定された第5次エネルギー基本計画では、国民負担を抑制しつつも最大限の再エネ導入を図るため、FIT制度からの独立の方向性が示されている。意見書ではこれに対し、需要家が発電事業者と長期の電力購入契約を結ぶコーポレートPPA(Power Purchase Agreement)、特に自社敷地外の大規模な発電設備と契約を結ぶ「オフサイトPPA」の活用も促している。

「中間とりまとめ」では、発電側基本料金の目安として「150円程度/kW・月」とされており、JCLP独自の試算によると、電源種別ごとにkWhに換算した負担額は下記のとおり。
・太陽光(稼働率12%)+1.7円/kWh
・風力(稼働率25%)+0.8円/kWh
・LNG火力(稼働率50%)+0.4円/kWh
・石炭火力(稼働率80%)+0.3円/kWh

天候によって稼働状況が左右される太陽光や風力は稼働率(設備利用率)が低く、相対的に発電側基本料金の影響が大きくなる懸念がある。

RE100に加盟する国内企業が28社にのぼり、中小企業や行政によるRE Actionの取り組みも進展する中、需要家の声を反映した制度設計が求められている。


DATA

日本気候リーダーズ・パートナーシップ


文/山下幸恵

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