環境負荷軽減と持続可能エネルギーを両立する中国の最先端廃棄物発電所
2021/01/07
2022年に完成予定の中国・深圳東部廃棄物発電所。発電所とは思えないデザインが目を引く!環境への負荷を減らし持続可能なエネルギーで経済を回す、を実現する最先端の施設だ。
上の写真:© Schmidt Hammer Lassen Architects
中国
深圳東部廃棄物発電所
環境への負荷を減らし持続可能なエネルギーで経済を回す。香港に隣接する中国の経済都市・深圳に計画されている深圳東部廃棄物発電所は、それらを両立すべく計画された施設だ。
人口2000万人を抱える深圳では、1日当たり1万5,000トンの廃棄物が発生し、廃棄物の量は毎年約7%ずつ増加しているという。同発電所は1日あたり5,000トンの廃棄物を焼却できる能力を持ち、そこから年5億5,000万kWhの電力を作り出す。6万6,000㎡ある屋根は最大4万4,000㎡の太陽光パネルで覆われ、廃棄物処理で生まれる電力の他に、環境に負荷をかけない形での発電も行う。
切り株のような平らな円柱のデザインも目を引く。箱型をした今までの発電所にはなかった形だ。建築デザインのゴールは、シンプル、クリーン、アイコニック、そして先進の発展を考えさせるにふさわしい指標となること。加えて同発電所は、最新技術を用いたプラントであるだけでなく、環境問題についての住民教育の場としての役割も担う。
巨大な人口が躍動する中国。2016年に設計され2022年に完成予定の同発電所は、経済から環境へシフトする大国の未来を探っていく。
文/Yukinobu Kato
SOLAR JOURNAL vol.35(2020年秋号)より転載