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“メガソーラーで大儲け”というビジネスは終わった

FIT価格が24円になって心配する声もあるが、FITに依存しない再生可能エネルギーというものを考えれば、それ自体は自然な流れで良いことなのか? ”再エネの達人”に聞くこれからの「分散型エネルギー」について聞く。

再エネ導入の障害は系統制約と入札制度

むしろ、再エネ導入の障害になっているのは電力会社の系統制約です。特に指定事業者制度の方向性がいまだに見えません。

また手続きが毎年猫の目のように変わるのも煩雑です。最初の年の手続きは何でも設備認定でしたが、今後は電力会社との系統接続の契約が優先となりました。

良い方向なのですが、電力会社の消極的な姿勢が変わっておらず、法律上の優先接続が形骸化しています。接続可能量がゼロの地域も多発していますが、明確な説明がありません。

その優先接続も電力システム改革と合わせて「再エネ優先」から「オープンアクセス」つまり「全ての電源に平等」となります。これは根本的な発想の違いです。火力も自然エネも平等な扱いという話なのです。

また、FIT見直しという名のもとに、いきなり入札制度(※)にしてしまったのも問題です。これはFITを大きく変質させるアリの一穴です。

競争入札で国民負担を減らすという名目ですが、イギリスでの入札制度は失敗し、かたやドイツのFITは成功しました。日本は政策づくりに実証に基づく証拠よりも政治的思惑が優先するようです。

これまでのような、“メガソーラーで大儲け”というイージーなビジネスはなくなります。逆に家庭用など小型の分散型発電に回帰しつつあります。もはやオフグリッドでも成り立つ価格水準で、太陽光発電は良くも悪くも岐路に立っています。

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平成27年度Q3(10-12月期)は1000kW以上のシステム平均価格が下げ止まり、50kW未満のシステム費用との差が5万円以下に縮まったとされる。

 

※太陽光発電について、事業者の利益を考慮し現在は高めに設定されている買取価格に競争原理を導入し、発電コストが安い事業者を優先することでコスト削減を促す。また太陽光導入量に上限を設ける。小規模事業者の参入が不利にもなりかねないという問題をはらんでいる。

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