【取材レポート】鯖江から全国へ。防草シートシェアNo.1企業を訪ねる
2021/07/30
太陽光発電所の有効な雑草対策として防草シートを選択する事例が増えている。 防草シートの日本シェアナンバーワンを誇る株式会社白崎コーポレーション。福井県鯖江市にある同社を訪ねた。
1. 白崎コーポレーションの本拠地、福井県鯖江市へ
2. 本社内での耐久試験をチェック
3. 本社の前に実験場!
4. 敷設から6年超の自社発電所で経年変化を観察
5. 防草シートの配送センターで在庫を確認
福井県鯖江市へ
全国シェアトップ企業を訪ねる
日本における眼鏡フレームの生産量シェア8割とも9割とも言われる福井県鯖江市。防草シートの日本シェアNo.1を誇る株式会社白崎コーポレーションも、この地に本社を構えている。
同社の製造する防草シートは、これまでの記事でもお伝えしてきたとおり、太陽光発電所の雑草対策に有効なものとして各地で利用が広がっている。その品質の高さから、福井県内の側道をはじめ、全国の高速道路や法面など多岐にわたって採用され、雑草の繁茂を抑えつつ、景観向上に貢献している。
この防草シートを、白崎コーポレーションではどのような体制でユーザーに届けているのか。福井本社をはじめとした関連施設を取材した。
近松門左衛門にその名の半分が由来するという、鯖江市は「文殊近松通り」の側道。白崎コーポレーションの防草シートが敷設され、すっきりとした景観をつくり上げている。
同通りの交差点側には、予め設けられた防草シートの隙間から芝桜がテンポよく咲いていた。交差点の存在を遠くから視認しやすくしながら、道路沿いを彩っている。
鯖江市石生谷町にある白崎コーポレーションの本社社屋。桜の向こうに見える左手奥の工場では、リユーストナーなどリサイクル関連事業も営む。
本社内で耐久試験を実施
品質向上に努める
屋外に長期間さらされる防草シートにおいて、耐久性はまず誰もが気にする指標だろう。白崎コーポレーションの本社内には、耐久性の向上を測る研究設備が整えられている。
初めに見せてもらったのが、下の「促進耐候性試験機」だ。
過酷な環境で長期間劣化を抑えながら品質を保つことができるのか、設定条件を変えながらテストする。素材や製法などによる耐久性の違いを調べ、よりすぐれた商品へと改善してゆく。
本社内に設置された促進耐候性試験機。熱や経年によるシートの劣化を試験。
複数の防草シートを同時に測定し、素材や製法による耐久性の違いをリサーチできる。
次に見せてもらった「引張強度試験機」では、耐久性にすぐれたシートを生み出すため、データをにらみながらの引張試験を実施。一見地味ながら、こちらも長期間にわたって自然にさらされる防草シートの品質向上には欠かせない。
引っ張り強度試験の様子。シートがちぎれる際の力を測定。これらの地道な作業が防草シートの確かな耐久性向上につながってゆく。
今回の取材を案内してもらった株式会社白崎コーポレーション グリーンナップ事業 技術開発部部長の佐治健介さん。防草シートの品質改善に向けた研究を進める責任者だ。
本社前には実験場
様々な環境を研究
本社の向かい側には、防草シートをズラッとならべた実験場がある。種類の異なるシートを同じ条件で比較したり、各種の植物を植えてみたり。杭を打ち込んで、金属の酸化に対する耐性を観察しているものなど、多種多様な試験が行われている。
駐車場を挟んだ本社の目の前に、防草シートの実験場が設けられている。
奥に見えるのは、法面など傾斜地に設置された場合の変化を調べるもの。
白崎コーポレーションの防草シートで特徴的な、杭打ち部分からの雑草の発生を抑えるテープ。広いスペースにシートが敷かれているが、雑草は見当たらない。
こちらは、杭を差し込んでから何ヶ月、という経年変化の状況をチェックする土手のようなもの。杭の酸化による防草シートへの影響を探る。
杭を打ち込んで12ヶ月後、とあるが、特に劣化はみられない。
打ち込まれてからどのくらい経ったものだろうか。杭の酸化によるシートの傷みはない。
自社太陽光発電所に敷設
6年超が経過した状況はいかに?
白崎コーポレーションには、自社製の防草シートを設置し、その耐久性を測っている、自社所有の太陽光発電所がある。 2015年から運転を続ける鯖江太陽光発電所だ。
発電出力500kWの鯖江太陽光発電所。2015年1月の売電開始からもう6年以上が経過している。
反対側の奥から見た様子。発電量に影響を与えるような雑草の伸びはみられない。
表面に経年による汚れの付着はあるが、シートの重なり部分からも草は生えていない。同社の推奨する丁寧な施工方法の賜物だ。
隙間からこぼれる陽の光を受けて、パネル下の防草シート表面に苔が生えていたが、杭打ち部分のテープがしっかりと張り付いているのが見て取れる。
白崎コーポレーションでは、社内での機器試験から屋外の設置試験、自社発電所における経年観察まで、多様な研究結果をフィードバックして、太陽光発電所の雑草対策に有効な防草シートが生み出されているというわけだ。
日本全国に向けた
迅速な配送体制を構築
取材の最後に、鯖江市を離れて越前市へ。日本全国に製品を届ける同社の福井物流センターを訪れた。
取材時にちょうど訪れていた集荷のトラック。越前市家久町から日本全国のユーザーへ届けられる。
サイズごとに整然と並べられ、発送の時を待つ防草シートたち。
防草シート本体以外の関連製品も、しっかりと在庫を確保。
個人向けの製品も取り扱う。1日2度の集荷に向けて、防草シートをはじめ、接着剤や杭など、関連製品も含めた発送作業が随時行われている。
物流センターで見たものは、防草シートから関連製品に至るまで十分に確保された在庫と、多様な製品を迅速に発送するため、勤勉に働く白崎コーポレーションのスタッフたちだった。
7年経過事例を
山梨県で取材
さて、今回の取材では、防草シートの敷設から6年超を経た事例を取材したが、編集部は山梨県において、7年を経過した事例を取材することができた。
一体雑草はどうなっているだろうか?
詳細について、次回のレポートでお届けする。
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撮影:松尾夏樹
Sponsored by 株式会社白崎コーポレーション