FIP制度のプレミアム、市場高騰の翌年は補正。経産省が高止まり対策に案

昨年末のJEPX市場価格の高騰を受け、FIP制度の見直しが進められている。現行の制度では、市場価格が高騰した翌年はプレミアムも高くなる。経済産業省はこれを問題視し、プレミアムの決め方に補正をかける方針だ。FIP制度の認定や移行を予定している発電事業者は、ぜひ検討の動向を押さえてほしい。

前年度価格で決まるプレミアム
高騰の翌年の高止まりを懸念

FIP(フィード・イン・プレミアム)制度では、これまでの固定価格とは異なり市場価格に連動した買取価格になる。市場価格に上乗せされるプレミアムが発電事業者にとってのインセンティブだ。

このプレミアム単価は、FIT制度での調達価格に相当する「基準価格」と市場価格などによって決まる「参照価格」との差額である。これまでの議論では、参照価格は、前年度の市場価格の年間平均を当年度と前年度の月間平均で補正するとされていた。

■プレミアム単価の算定イメージ

経産省・資源エネルギー庁「市場価格高騰を踏まえた対応(FIP制度の詳細設定等)」(2021年9月7日)より引用

しかし、2020年度末に市場価格が大きく高騰したことで、この参照価格の決め方に疑問が呈された。というのも、前年度平均の市場価格を参照するために、高騰した年とその翌年のプレミアムも引き上げられてしまうからだ。

■参照価格の設定に係る価格高騰時の課題

経産省・資源エネルギー庁「市場価格高騰を踏まえた対応(FIP制度の詳細設定等)」(2021年9月7日)より引用

経済産業省は、翌年のプレミアムが上がることに関して、電力が逼迫していないにも関わらず買取価格が高騰することは適切な価格シグナルではないと考え、対策を講じた。

高騰の翌年はプレミアムを補正
金融機関のヒアリング経て決定へ

経産省の提示した案では、前年度の市場価格が高騰し当年度が高騰しない場合、参照価格の下限を0円/kWhとする。これによって、実質的にはプレミアムの上限が基準価格となる。

一方で、FIP制度が始まる2022年度に限り、今年度の市場価格の平均を補正する方向性も示された。具体的には、東京商品取引所(TOCOM)の先物取引市場価格を上限として、12月から3月の市場平均を実際より低く抑える。

これらの案に対し、委員からは合理的だとして賛成する声が挙がったものの、不確実性が大きく金融機関からの投資が期待できないとする意見も出された。そのため、経産省は金融機関などへヒアリングを行った後、最終的に決定するとした。

DATA

再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(第35回)・再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会(第13回)合同会議


文:山下幸恵(office SOTO)

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