【リパワリング】新型パワコンへの交換、変換効率以外に気をつけるべきこと
2021/10/29
運転開始から10年程度で保証期間が終了することの多い、パワーコンディショナ。新型パワコンへの交換は、太陽光発電所の売電量を高める有効な手段だ。その際、変換効率以外にも気をつけるべきことをいくつかご紹介しよう。
新型パワコンへ交換は
何を基準にするべきなのか
パネルで発電した電力を変換して系統へ連系する役割を担い、太陽光発電所の“心臓部”ともいわれるパワーコンディショナ。
太陽光発電所の「売電量」を高めるためには、パネルの「発電効率」はもちろん、パワコンの「変換効率」も重要だ。変換効率にすぐれた新型パワコンに交換してリパワリングすれば、売電量も増えるだろう。
そして、変換効率以外にも、パワコン選択のポイントはある。
故障のしにくさとメンテナンス体制
保証期間もチェック
まず、当たり前と思われるかもしれないが、故障しにくいことが大切だ。
パワコンが故障によりストップしまえば、たとえパネルが十分に発電をしていても、そもそも売電ができなくなってしまう。売電できない期間が長くなれば、変換効率の大小を超えて損害が膨らむ可能性もある。
次に、故障した時のメーカー側のメンテナンス体制が万全なのかどうか。パワコンが故障した際、どのような対応なのか。製品の完全交換が基本なのか、それとも技術者が現場で対応するのが前提なのか。交換までの日数は、現場駆けつけの金額負担は……、など、企業によってメンテナンス体制は異なる。
パネルメーカーでは日本市場からの撤退が続いてきたが、パワコンにおいても一部、メーカーの事業撤退はあり、生き残る企業が限られてきている。10年以上残されているFIT買取の残存期間中、確実にメンテナンス対応をしてもらえること。そして海外メーカーであれば、海外での実績や事業展開までをチェックして選択するのが賢明だろう。
モニタリングは「何レベル」か
出力制御のオンライン対応可否は
パワコンによって、可能となるモニタリングのレベルが異なることはご存知だろうか?
「パワコンレベル」モニタリングの場合、各パワコンに入力・変換される電力全体の状況しか分からない。
しかし「ストリングレベル」、あるいはさらに「モジュールレベル」のモニタリングが可能な製品であれば、遠隔監視の精度がぐんと高まり、発電所の不具合発見による早期対応が可能となる(参考:早期リパワリングが低圧ソーラーのポテンシャルを引き出す)。
また、脱炭素化の向けて太陽光発電の導入が続く中、九州電力管内などのように、出力制御が求められる場合も想定しておきたい。
新型パワコンへの交換によってオンラインでの出力制御対応が可能となり、手動であれば丸一日だった出力制御が数時間に短縮され、対応に割く人的なコストも削減できた、という事例もある(参考:【リパワリングレポート】出力制御へのオンライン対応とメンテナンスの効率化を同時に実現)。
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